〔いんさいど世界〕 ドミニク・ストロスカーン(DSK)「転落」の謎
IMFの専務理事、フランスのドミニク・ストロスカーン(DSK)の「性的暴行」スキャンダルについて、「陰謀」説が広がっている。
カナダの「グローバル・リサーチ研究所」のミッチェル・チョスドフスキー教授によると、フランスでの世論調査によると、57%のフランス人が「事件」をでっち上げだと見ているそうだ。⇒ http://www.voltairenet.org/article169953.html
陰謀説の中で最も有力(?)なものは、DSKが次ぎのフランスの大統領選に出馬し、アメリカの手先であるサルコジを追い落としそうだから、罠に嵌めて政治生命を奪った、というものだ。
一見、説得力のある見方のように思えるが、さて、いかがなものか?
DSKはフランス社会党に政治家でありながら、サルコジの大統領選を側面から支援し、IMF専務理事のポストにありついた男。
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2008/09/post-4b28.html
アメリカとしてはDSKをフランスの次期大統領にしても一向に困らないはずだ。左派の新人に大統領になられるより、DSKを据えた方がコントロールしやすい。
それに、チョスドフスキー教授によれば、DSKは世界のトップ権力者、富豪らでつくる国際組織、「ビルダーバーグ」の一員。
そういうDSKを、どうしていま、嵌めなければならないか?
「嵌める」には、もちろん動機がある。嵌めるということは、DSKをIMFの専務理事ポストから追う出すこと。
問題はなぜ、アメリカがDSKをIMFから追い出さなければならないか、ということだ。
理由は――分からない。分からないが、想像することはできる。
おそらくアメリカの権力は、「IMFの金」に手を出さなければならないほど、「IMFの金」を囲い込まねばならないほご、金融・財政・軍事面で追い込まれているのだ。
そのために「旧世界」にルーツのあるDSKを斬った!
DSKはたぶん、「ワシントン=ウォールストリート・コンセンサス」にとって邪魔者になったのだ。
ふたつの戦争と金融バブル大崩壊にあえぐアメリカ……。
現代のグローバルな権力闘争を解く鍵は、やはり「マネー」にある。
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