2006-11-28

〔ジャック・天野 詩集『美しい国の子どもたち』より〕 夕張の子どもたち

 夕張の

    ぼくらにちいさな夢がある
          夢だと知りつつ夢を見る

     公共事業が積みあげた
      借金ボタ山ない夢を

           全市民20年返済!
            貸し手責任どこへやら
             ローン地獄が待っている        

 夕張の

    ぼくらにちいさな夢がある
       夢だと知りつつ見たくなる

      統廃合でなくされる
       母校が残る夢を見る

          「再生会議」が視察しに
            来るわけないね
             お偉いさん     

 夕張の

    ぼくらも最近 聞かされる
      夢に見るほど聞かされる

      「国を愛せ」と「国」がいう
        ぼくらの夕張 捨てたのに

           閉山のあとは閉校で
            廃坑のあとは廃校で
             あとは野となれ 枯れススキ  
  

  それでもハンカチ ひるがえる
    黄色いハンカチ ひるがえる
     幸せになれと ひるがえる      

  ぼくら炭鉱(ヤマ)の子  元気な子
  ぼくら 夕張 元気な子 
  ぼくらは負けない 元気な子              

 

Posted by 大沼安史 at 02:34 午後 ジャック・天野 詩集 「美しい国の子どもたち」 | | トラックバック (0)

2006-10-23

〔ジャック天野 詩集『美しい国の子どもたち』より ② 〕  私が死んだら読んでください

 北海度の滝川市で12歳の少女が死んだ
  自分の教室で 自殺をはかった
 
 教師の教壇に遺書が置かれていた
  「私が死んだら読んでください」

 小学校の6年生が死んだ
  教室を死に場に ひとりっきりで

 前にも死のうとしたことがあった
  「でもこわくてできませんでした」

 いじめにあってもう生きてゆけない 
 「でも今私はけっしんしました」

 こわいけど、「でも」
  生きたいけど 「でも」

  「この手紙を読んでいるということは私が死んだということでしょう」
    
 少女は死んで「言葉」を残した。
  「私が死んだら読んでください」

 最後の「作文」 12歳の「遺言」
  それを教育委員会が「封殺」した。

 「生きる力」を育てるこの国の「教育」は
   彼女のことを2度も、殺した

Posted by 大沼安史 at 11:54 午前 ジャック・天野 詩集 「美しい国の子どもたち」 | | トラックバック (0)

2006-10-17

〔ジャック天野 詩集「美しい国のこどもたち」より〕   偽善者にもなれなかった偽善者 それは「学校」

 福岡県筑前町の公立中学校で、担任から「偽善者にもなれない偽善者」と嘲笑された2年生の男子生徒が、「いじめ」を苦に自殺した。13歳だった。

 全国一律、「文科省お役所学校」のひとつで、またも悲劇は起きた。

 男子生徒は「学校」というものに、追い込まれて死んだ。

 逃げ場はなかった。
 日本の子どもは「制服」を着せられ、日中、「学校」から一歩たりとも外へ出てはならない。

 教室には「担任」が解き放った「いじめ」という名の毒蛇がトグロを巻き、「級友」という、担任の“教え子”たちが、男子生徒をその「エサ」にしていた。

 つまらない「授業」のウップン晴らし。「学校」という「収容所」のなかのエンターテイメント。
 まるで、昔の日本軍の「内務班」。
 「教室」での「ウグイス、谷渡り」。

 母親の相談が、そのまま「情報公開」された。
 彼の「個人情報」が担任の口から校内に広がった。 
「プライバシー」を暴かれ、それがそのまま、「あだ名」になった。

 この九州の「文科省学校」にも、生徒に「人権」はなかった。
 「人間の尊厳」もなかった。
 「正義」もなかった。
 
 「教育」という名の
 管理と統制と
 若い命に対する侮蔑だけがあった。

 「担任」は、生徒を「イチゴ」と見立てて等級付けしていた。
 「ジャムにもならない、お前ら」
 「5段階評価」?
 
 47歳の「担任」は罪を認めた。
 遺族に対して、「一生かけて償います」と謝罪した。
 「校長」も「教師の言動が自殺につながったと認識している」と言った。

 「一生かけて償う」
 「教師の責任だと認識している!」
  よっ、大統領! さすが、世の模範たるべき教育者!

 その「校長」がその夜の午前2時前、遺族宅を訪ねた。
 真夜中の家庭訪問。恥も外聞もない、前言の撤回。
 「教師の発言が自殺と結びついているとは考えていない」。

 そしてその朝の全校集会。
 「すばらしい君たちを前に手を抜いてしまった。乱暴な言葉や甘えがあった」
 「全力で君たちを守る。この言葉にうそはない」

 自殺した男子も「すばらしい君たち」のひとりだった。
 「校長」が「全力で守る」べきひとりだった。
 その「言葉」に「うそ」がなければ……。

 「偽善者になれない偽善者」とは、ほんとうは誰だ?
 13歳の「すばらしい君」を死に追いやったのは、ほんとう誰だ?
 「この言葉にうそがある」のは、ほうとうは誰だ?

 (大沼・注) 畏友・ジャック天野氏より、メールで詩の投稿があった。氏が三文詩人だとは知らなかった。デキの悪さには目をつぶり、今後、投稿がありしだい、随時掲載する。

Posted by 大沼安史 at 01:40 午後 ジャック・天野 詩集 「美しい国の子どもたち」 | | トラックバック (0)