〔ジャック・天野 詩集『美しい国の子どもたち』より〕 夕張の子どもたち
夕張の
ぼくらにちいさな夢がある
夢だと知りつつ夢を見る
公共事業が積みあげた
借金ボタ山ない夢を
全市民20年返済!
貸し手責任どこへやら
ローン地獄が待っている
夕張の
ぼくらにちいさな夢がある
夢だと知りつつ見たくなる
統廃合でなくされる
母校が残る夢を見る
「再生会議」が視察しに
来るわけないね
お偉いさん
夕張の
ぼくらも最近 聞かされる
夢に見るほど聞かされる
「国を愛せ」と「国」がいう
ぼくらの夕張 捨てたのに
閉山のあとは閉校で
廃坑のあとは廃校で
あとは野となれ 枯れススキ
それでもハンカチ ひるがえる
黄色いハンカチ ひるがえる
幸せになれと ひるがえる
ぼくら炭鉱(ヤマ)の子 元気な子
ぼくら 夕張 元気な子
ぼくらは負けない 元気な子
Posted by 大沼安史 at 02:34 午後 ジャック・天野 詩集 「美しい国の子どもたち」 | Permalink | トラックバック (0)