« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007-10-07

〔NEWS〕 小さな町の自閉症児プログラム……米国の話

 米ニュージャージー州のナトレーという町の教委が、自閉症児のための教育プログラムを開始した。
 私立のプログラムに委託しているのを改め、自前のプログラムを始めたもの。

 ニューヨーク・タイムズ紙が「ある学校の特別な抱擁」と題して報じた。

 ナトレーは生徒数4000人の町。
 自閉症児はこの町でも急増しており、現在、5年前の倍にあたる27人に達している。

 ナトレー教委が始めたプログラムは、ふたつの学校に分かれ、現在、16人の自閉症児が登録している。残りは私立のプログラムに残って、様子見している。

 教委では自閉症児の才能を引き出す、天才児プログラムや美術・音楽プログラムも併設する予定だそうだ。

 〔大沼・注〕 米国では自閉症児がなぜか、急増している。日本ではどうか? その教育支援の実情は?
 現役の教育ジャーナリストの諸君には、この点の解明をお願いしたい。   


http://www.nytimes.com/2007/10/07/nyregion/nyregionspecial2/07Rautistic.html?ref=education

Posted by 大沼安史 at 09:36 午後 NEWS | | トラックバック (0)

2007-10-04

〔コラム 夢の一枝〕 「わたしはあの子を医者にしてあげたい」 アンジェリーナ・ジョリーの涙 

 女優、アンジェリーナ・ジョリーさんは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使である。

 その彼女が9月末、ニューヨークで開かれたクリントン前大統領主催のシンポジウム、「紛争及び紛争後の状況における教育」セッションに参加し、イラク難民の子どもたちに対する教育支援の必要性を訴えた。

 ジョリーさんは8月、イラク難民が流入するシリアを訪問し、難民たちと面会して来た。
 ダマスカスでのことらしいが、こんなことがあった。

 路上に、火傷を負ったイラク人の若者がいて、乞食をしていた。イラクで拷問を受け、ゴミと一緒に焼かれ、シリアに逃げて来た。

 そして、その若者に、年下の友だちがいた。

 10歳の少年。同じく戦乱のイラクから逃れて来た男の子だ。

 男の子は街頭でテッシュを売って暮らしていた。テッシュ売りのかたわら男の子は、火傷した若者の包帯を取り替えたり、看病をしていた。

 それを見たジョリーさんは、その子に聞いた。「医者になるつもり、ある?」と。

 その子は答えた。
 「いや、ぼくは医者にはなれない」と。

 「どうして?」と、ジョリーさんが聞くと、少年は言った。「ぼくはテッシュを売らなくちゃならないから」

 そのやりとりを紹介して、ジョリーさんはこう語った。

 「その子はすでに医者でした。親身になって、看病していたから。テッシュ売りで稼いだ金を遊びに使わずに看病していた。ティッシュを売らなくちゃならないとその子が言ったとき、わたしはその子を医者にしたいと思った」

 そう語るジョリーさんの目に涙が溢れた。

 女優の作り涙ではなかった。6年前から、UNHCRの親善大使を続け、難民の支援を続ける、ひとりの女性、ひとりの母親の涙に見えた。

 日本の医学生にも、見てもらいたい涙だった。

 ぼくも、もらい涙を、ふた粒ほど、彼女から頂戴した。
 ハードなスケジュールで疲れた彼女の顔が、涙目を通して、慈母のように神々しく見えた。    


http://video.clintonglobalinitiative.org/health_cast/player_cgi2007_nointro.cfm?id=3502

http://www.unhcr.or.jp/ref_unhcr/angelina/index.html

http://www.unhcr.org/news/NEWS/46d544c16.html

Posted by 大沼安史 at 11:05 午後 コラム・夢の一枝 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米国のチャータースクール 4147校に

 米国のNPO、教育改革センターがまとめたところによると、全米のチャータースクール数は9月の新学期に4147校に達した。

 子どもたちの在籍数は124万1706人に上っている。

 州別ではカリフォルニアが最も多く、710校。以下、アリゾナ(482校)、フロリダ(379校)、オハイオ(315校)、テキサス(300校)―の順。

 チャータースクール運動の発祥地であるミネソタは147校。


http://www.edreform.com/index.cfm?fuseAction=document&documentID=2716&sectionID=5&NEWSYEAR=2007

Posted by 大沼安史 at 12:54 午前 チャータースクール | | トラックバック (0)

2007-10-02

〔NEWS〕 「集団自決」削除 「教科書検定審議会」の担当部会のメンバーは「集団辞任」せよ

 沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が高校の検定教科書から削除された問題で、沖縄の人びとらの怒りが高まる中、渡海文部大臣は10月2日の会見で、教科書会社から訂正申請があった場合、その内容について同省の「教科用図書検定調査審議会」の意見を聞く考えを明らかにしたという。

 これは、筋が通らない話だ。

 同審議会(とくに社会科担当の第2部会)は、ほかならぬ「削除」を答申したところである。

 そんなとんでもない決定を下した審議委員たちはまずもって全員、解任し、新たに信頼できるメンバーを選びなおして審議するのが筋ではないか。

 文科省のサイトに以下のような審議会の「総会議事録」なるものが出ていた。たぶん、この席で「削除」答申が全会一致で決定されたと見られる。

 他の科目も含め、わずか1時間の総会。
 関係部会の「報告」も以下のようなおざなりなものだ。

 「削除」答申がこの席で正式決定されたなら、この総会に出席した審議委員でいまなお残留しているメンバーは全員、責任を取って即時「集団辞任」すべきである。
   

 ■ 総会(17年度第2回)議事録

1. 日時 平成18年3月29日(火曜日)15時~16時
2. 場所 パレスホテルゴールデンルーム
3. 出席者 別紙
4. 議事 ○  事務局から開会が告げられ、議事に先立ち、布村大臣官房審議官から挨拶があった。
     ○  事務局から配付資料の確認があった。
         ○  平成17年度の各部会における審議経過等について、各部会長等から次のとおり報告があった。
 

(第2部会)
 第2部会よりご報告いたします。
 平成17年度の第2部会は、検定申請のあった「地理歴史科」32点、「公民科」23点、合計55点の申請図書について審議しました。
 慎重に審議したところ、いずれの申請図書についても欠陥があると認められたので、合否の判定を留保し、欠陥箇所の申請者による修正を、再度審議しました。その結果、検定意見に沿った適切な修正がなされたと判断し、全55点を合格と判定しました。
 次に各科目について、今年度の検定の概略を報告します。
 まず、「世界史」では、諸地域世界の歴史的展開について、適正な視点、時系列の整合性と論理展開の正確さなどに留意し、不適切な記述には修正を求めました。
 「日本史」では、近現代史を中心として、現在の学説状況や事実関係に即した適切なものに修正を求めました。
 「地理」及び「地図」については、地形や環境にかかわる表記に誤解のおそれのあるものや、図表等に、学習上必要な年次、縮尺、出典などが明示されていないものがありましたが、検定意見により適切に修正されました。
 「現代社会」では、政治制度や国内外の政治状況について、また経済の基礎概念やわが国の経済制度について、さらに今日論議されているさまざまな倫理的な課題について、扱いの適切性、記述の正確性などに欠陥のあると認められるものについては修正されました。
 「倫理」については、倫理思想の記述の正確性、生命倫理や家族の問題など現代の倫理的課題に関する扱いの不適切なものに修正を求めました。
 「政治・経済」では、わが国のODA政策、エネルギー政策などについて、誤解の恐れのある表現や不正確な記述が見られましたが、検定により修正されました。
 以上です。

  別紙 第2部会(社会)の出席者は次の通り。

 揚村 洋一郎,、太田 公、 紀平 英作、 小室 正紀、杉本 良男、栖原 弥生、高橋 文博、谷 聖美、羽入 佐和子、広瀬 順皓、廣部 和也、二木 謙一、宮地 忠明、村木 逸子、山本 孝宏、山田 卓生、渡辺 真知子


http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/tosho/gijiroku/001/06102310.htm

Posted by 大沼安史 at 07:59 午後 NEWS | | トラックバック (0)

2007-10-01

〔コラム 夢の一枝〕 「先生たちの雑用を減らせ!」 OECD調査に学ぶ 日の丸統制教育「再生」の道 

 「管理教育」が現場を窒息させ、国技「いじめ」が蔓延する日本の公教育。
 「統制地獄」にあえぐこの国の教育に再生の道はあるのか?

 文科省にその答えを聞いても無駄だろう。

   この国の可能性であるべき、子どもたちを「勉強嫌い」の「集団学習自決(?)」に追い込んで恥じることない「元・軍国主義教育総元締め」に期待すること自体、無理なことだ。自覚のない(あるいは自覚はあるが、犯行を認めようとしない)加害者に、被害の回復を求めることはできない。

 それでは、何に聞いたらいいか? どこに意見を求めたらいいか?

 一番いいのは、統制教育の被害者である現場の先生や子どもたちに「新・教育再生会議」をつくってもらい、率直に意見具申してもらうことだが、最近、OECD(経済開発協力機構)が発表した「教育瞥見2007」を見るのもひとつの手である。

 日本の新聞もすでに報じていることなので、ここではひとつだけ、日本の教育に関する調査結果を確認しておこう。

 それは日本の教師の授業時間が世界1、少ないことだ。
 それでいて、拘束時間は世界1、長い。
 (下記、OECDサイトの「JAPAN」の項を参照)

 日本の教師はつまり、余計な「雑用」に追いまくられ、肝心の「授業」をできないでいるのだ。

 管理、管理、管理!
 通達、通達、通達!

 書類、書類、書類!
 
 研修、研修、研修!
 報告、報告、報告!

 「雑用」が減れば、教師に笑顔が戻る。「ゆとり」が生まれる。それを見て子どもたちが安心する。安心して勉強しだす。

 「ゆとり教育」とは「授業時間」を減らすことではなく、「雑用」を減らすことである。    


http://www.oecd.org/document/30/0,3343,en_2649_201185_39251550_1_1_1_1,00.html#data

http://www.asahi.com/life/update/0918/TKY200709180359.html

Posted by 大沼安史 at 10:58 午後 コラム・夢の一枝 | | トラックバック (0)