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2007-06-30

〔NEWS〕 教組がチャータースクール ニューヨーク進出を支援 教組連係のチャータースクール「グリーン・ドット」(緑の点)がサウス・ブロンクスに高校新設を計画 

 ロサンゼルスでチャータースクールを展開する「グリーン・ドット」が、ニューヨーク進出計画を進めている。ニューヨーク・タイムズ(電子版)が6月28日に伝えた。

 開設場所は、同市最大のスラムのひとつ、サウス・ブロンクス。
 米国nの教育運動家、ジョナサン・コゾルが、著書、『アメージング・グレース』で、その悲惨さをルポした、あのサウス・ブロンクスだ。

 そこに、州政府の認可で、チャーター高校を開設する計画だ。

 「グリーン・ドット」のNY進出を支援しているのは、UFT(統一教組)。
 新設のチャーター高校は、UFTとの間で労使協定を結ぶ。

 労使協定には「労働時間数」は盛り込まれないが、「プロフェッショナルな労働日」を過ごす、との条項が設けられる。教師の身分保障(テニュア)の規定もないが、解雇権の濫用を防ぐため、解雇に関するガイドラインが設けられる。

 「グリーン・ドット」はロサンゼルスで教組との連係によるチャータースクールづくりと取り組んでおり、これをUFTが評価し、ニューヨーク進出を求めた。

 UFT自身、ニューヨークのブルックリンで、2校、チャータースクールを展開している。

〔大沼・注〕

 日本で「チャータースクール」を口にすると、「左派」から決まって返ってくるのが、「新自由主義」の非難だ。

 「ネオリベラリズム」の非難の大合唱のなかで、「日本型チャータースクール」を求める動きは足踏みを余儀なくされ、結果的に右派の「統制教育」がまかり通る、残念な事態になっている。

 チャータースクールとは「公教育」を破壊するものではなく、「公教育」に新しい息吹とかたちを持ち込むものである。

 かつてニューヨークのイースト・ハーレムで公立学校の改革運動に邁進し、いまマサチューセッツに移ってチャータースクールを開くデボラ・マイヤー女史の実践は、「ネオリベ」でもなんでもない。

 「ネオリベ」を警戒するあまり、「リベ」まで窒息させ、「教育ファシズム」の露払いをすることは、断じてあってならない。


http://www.nytimes.com/2007/06/28/nyregion/28schools.html?ref=education

http://www.greendot.org/news/union_to_help_charter_firm_start_school_in_the_bronx.html

Posted by 大沼安史 at 12:27 午前 チャータースクール | | トラックバック (0)

2007-06-13

〔いんさいど世界〕 アスペルガーの天才 ダニエル・タメットさんの精神世界

 英国、ケント州の田舎に、ひとりの天才が暮らしています。28歳の男性、ダニエル・タメットさん。アスペルガー症候群という「障害」、いや「個性」を持った「天才」です。

 アスペルガー症候群というのは、自閉症など広汎性発達障害のひとつで、一般にはそのうち言葉の遅れの少ないもの、と定義されています。急にパニックに陥っていまう、とか、限られた関心への極度の集中とか、そんな性向を持った人たちのことです。

 タメットさんは、そういうアスペルガーのひとり。この障害にありがちな天才的能力を持ったひとりです。

 そのタメットさんが、自伝を書いたので、取り寄せて読み出しました。
 読んで驚きました。
 「アスペルガー」というものが、どういうものか、当事者として、実に冷静に描き出しているのです。
 「本人」によって明らかにされた「アスペルガーの人の精神世界」……自伝、『青の日に生まれて』に書かれた中身を紹介しましょう。

 タメットさんは「数」と「言語」の天才です。
 まず、「数」から紹介すると、自伝に、こんなことが書いてありました。
 タメットさんは「カレンダー」が大好きだそうです。カレンダー……数が1列7個ずつ配列されている。

 そのカレンダーに関して、タメットさんはこんな「法則」を紹介しています。

 ① その月の13日目の曜日は、その月の初日の2日前の曜日に等しい(ことしの6月13日は水曜日。6月1日は金曜日だから、その2日前は水曜日になりますね)

 ② 1月と10月、9月と12月、2月と3月の初日の曜日は同じ(これも、たしかにそうです……。月・月・木)

 数に弱いぼくなんか、これだけでも「うーん」とうなってしまいますが、こんなのほんの序の口。
 タメットさんの数学の能力をたしかめた、ある大学教授によると、たとえば「37の4乗」なんて問題など、瞬間で答えてしまうのだそうです。1,874,161と。
 また、「13割る97」は割り切れませんが、少数点以下100桁まで言いなさいと言われれば、たちどころに数字を並べていくのだそうです。
 まるで人間コンピューター。すごいですね。

 問題はタメットさんの頭のなかで、いったい何が起きているか、ですが、たとえば、53×131の掛け算を解こうとすると、頭のなかに「53」の(空間的な)「塊」と「131」の「塊」が出現して、その2つの塊が形を変えながら融合して、「6943」の塊の「かたち」になるんだそうです。

 タメットさんにとって数はかたち「イメージ」として現れてくるのですね。

 たとえば、「89」という数。
 ぼくらはたんに「80+9」(90-1)といったふうに認識しますが、タメットさんの場合は「(白い)雪が降っているありさま」に見えるのだそう。

 つまり、タメットさんの「数たち」はそれぞれ、色さえ持っている。

 たとえば「1」は、眩い、明るい白として認識されるんだそうです。

 「美醜」の感覚もある。
 タメットさんにとって「189」は「116」より、明らかにビューテイフルなんだそうです。

 タメットさんは人に会うと、その人にふさわしい数を連想するそうです。背の高い人なら9を、太ったひとなら3を。

 タメットさんのもうひとつの天才領域の「言語(コトバ)」に移りますと、たとえば火曜日(Tuesday)というコトバは、暖かなな色にイメージされる。木曜日は、ぼやけた色。

 彼の「自伝」の題、『青の日に生まれて(Born on a Blue Day)』も、まさにそんな感覚からつけられたタイトル。
 タメットさんは、1979年1月31日の生まれですが、その日は水曜日(Wednesday)で、彼によって水曜日は「青の日」なんだそうです。
 「誕生日は青、すれは数字の9や大声での言い合いの音のよう」と、タメットさんは書いています。

 タメットさんは語学の天才でもあります。アイスランド語、リトアニア語など10ヵ国語を自由に話すことができます。
 コトバを色つきのイメージで吸収してしまうので、ものの数週間でゲットしてしまう。

 タメットさんは語学の才能を生かし、自分のHPを通じ、語学の勉強法を教えたりもしています。

 住んでいるのは、英国ケント州の片田舎。両親とネコのアビーと暮らしています。
 静かなところが住みやすいそうです。

 そんなタメットさんなら、日本語なんかもかんたんにモノにしてしまいそうですね。
 そのうち、ケント州のコテージ風の自宅から、この番組に電話出演してくれるようなことにもないとは限りませんね。

 日本にも、もちろんアスペルガーの人(子ども)がいます。そんなアスペルガーの子どもを受け入れている私立の特区学校、「ライナス学園」といいます)が神奈川県の小田原市にできたりしていますが、日本ではまだまだ、支援態勢が整っていません。

 タメットさんのように、アスペルガーの才能が認められ、受け容れられて開花するような、日本社会にしたいものですね。 
 

Posted by 大沼安史 at 01:46 午後 NEWS | | トラックバック (1)