〔400字論説 世界を縮約!〕 教育「再生」ではなく「統制」だ!
統制色丸出しの教育再生会議の報告を受け、安部政権が法案づくりに乗り出した。“一夜漬け”のような慌しさで、いま戦前の国家主義教育が「再生」されようとしている。
報告は教員を「免許更新」で縛り付、「副校長」「主幹」制を導入して上意下達の序列化を進め、その一方で「第3者評価」という監視の目にさらす管理色濃厚なものである。頂点に立つのは相も変わらず文科省。「社会総がかりで」と言いながら、教育全般を一手に取り仕切る構図に変わりはない。
「脱中央集権」の切り札とされた市町村教委への人事権の返還も「極力、委譲」します、に後退した。それどころか文科省は地方教委「基準」なるものを定め、指導を強めるという。これはもう教育の再生ではなく、むき出しの教育統制である。
首相の「戦後レジームからの脱却」とは教育統制を通じた「戦前レジームへの逆戻り」であることが、これでハッキリした。
(大沼・付記) 新聞各紙の「社説」を400字詰め原稿用紙1枚にまとめる、大野晋さん提唱の「縮約」を、学生と一緒に楽しんでいます。そんななかから生まれた、教育問題に関するぼくの「縮約」を、こんご随時掲載したいと思います。
皮切りは教育「再生」法案づくりに関する400字論説。
それにしてもお医者さんに「免許更新」なんて言ったらしかられますよね。
「教師」は専門職、それなのになぜ?
なんだか文科省のキャリアにも「国家公務員上級免許更新」を科したい気になって来ました。
日本の教育をここまで悪くしたのは、現場の教師でもなんでもなく、君たちではないですか?
「社会そうがかり」――なるほど、「一億総懺悔」と行きたいわけか?
自分たちの責任に頬被りして……
「美しい国」の、この情けなさ!!