〔NEWS〕 バウチャー違憲判決へ対応策 米フロリダ州
ことし1月、バウチャー違憲判決が出た米フロリダ州で、制度を存続させる対策が具体化して来た。なかでも最も実現可能性の高い選択肢は、企業に対する租税控除(タックス・クレジット)を財源として、制度を事実上、維持する方策だ。
同州では、州憲法に違反するという判決にもとづき、9月から始まる新学期以降、既存のバウチャー制度(「機会奨学金」制度)を廃止せざる得ないことから、与党・共和党が主導権を握る州議会で対応策の検討が続いて来た。
バウチャー制度を維持するにあたって、もっとも抜本的な解決策は、州憲法を改正してしまう手だが、それには州議会両院の5分の3以上の賛成がなければならず、教員組合を支持基盤のなかに抱えた民主党の反発もあって、短期的には難しい情勢。
これに代わって出ているのが、州政府の「歳出」を財源とするのではなく、特定目的に対する寄付=減税をベースにするタックス・クレジット方式で制度を存続させる案で、そのための法案はすでに州議会下院において、3月23日に可決している。
この下院の議決について、米誌「エデュケーション・ウイーク」は、共和党のほか、民主党の議員10人も賛成に回ったと報じているが、これはおそらくマイアミなど都市部選出の議員と思われる。
ミルウォーキーやクリーブランドでもそうだったが、都市部選出の民主党議員は公教育崩壊と貧困層の子どもたちの支援のため、バウチャー推進派に回る傾向があるからだ。
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