〔フクイチ・メガ核惨事 7年目の春に〕◇ 「楢葉にこの春、105人の小中学生が戻った/最年少は、3・11のあの年の生まれ/しかし中学校では、野球のチームを組むことができない/ドングリや松ぼっくり拾いは禁止/給食の食材は毎日、放射能検査」 ◎ ニューヨーク・タイムズのモトコ・リッチ東京支局長が楢葉町をルポ! ★ 読んでいるうち、なんだか涙がこぼれて来た。
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★ このモトコ支局長の詳細なルポは、フクイチ核惨事の歴史に刻まれるべき、重要な記録である。
2017年春の「史実」である。
未来から、読み返されるべき。
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★ モトコさんは、被爆評価は、雨水による土壌汚染などを反映していないかもしれないので、(間違っている、とは言わないまでも)、不正確としか言えない、と記している。
Calculations of radiation exposure are imprecise at best. They may not detect contaminated soil from rain runoff that can collect in gutters or other low-lying crevices. Risk of illness depends on many variables, including age, activities and underlying health conditions.
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★ また、テンプル大学東京校のカイル・クリーブランドさんの、このコメント。
意図的に不誠実だと誰も責めたくはないが、役人たちには「リスクレベルを低く見積もり、プラスのスピンをかける、あらゆる動機を持っている」。
“I don’t want to accuse anyone of being consciously disingenuous,” said Kyle Cleveland, associate professor of sociology at Temple University in Tokyo, who has written about the psychological effects of the Fukushima disaster. But government officials “have every incentive to downplay the level of risk and to put a positive spin on it.”
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★ タイムズ紙電子版ルポ記事のトップには、誰もいない園庭で、ブランコ乗りする、2人の少女の写真が添えられている。
そして、モトコ支局長の、この記述。
「フクシマのまちの復興は、日本政府の、ひとつの優先事項である。東京オリンピック開催で安倍晋三首相は、フクシマの除染の取り組みが『アンダーコントロール』するとの約束を果たしたいと望んでいる」
Reviving the towns of Fukushima is also a priority for the central government. With the 2020 Olympics to be held in Tokyo, Prime Minister Shinzo Abe wants to deliver on his promise that the Fukushima cleanup effort is “under control.”
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★ オリンピックのための望まれる被曝地アンダーコントロールは、許されないことだ。
ブランコの少女たちを含む、被曝地のこどもたちを、どう守っていくか、それがわたしたちの最大の優先事項だ。
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〔★は大沼〕 ◎ NYT The Children of Fukushima Return, Six Years After the Nuclear Disaster
(21日付け)⇒ https://www.nytimes.com/2017/04/21/world/asia/japan-fukushima-nuclear-disaster-children.html
Posted by 大沼安史 at 08:58 午前 | Permalink