〔「美しい国」では、呼吸するように嘘う?〕◎ (四次元ことばブログ)◇ 安倍首相の辞書はどれだ! 「そもそも」を「基本的に」と書く辞書を探す旅 / もっとマイナーな辞書か、あるいは旧版かもしれません。まず、ここまでに挙げた辞書の旧版に当たってみましたが、やはり「基本的に」は見当たりません。続いて、手元にあるその他の小型辞書や、実用辞典の類もいくつか見繕って引いてみましたが、それでも見つかりませんでした。
★ 写真は、 「デジタル大辞泉」(goo辞書) より。
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★ 安倍首相は19日の衆院法務委で「辞書で念のために調べたら『基本的に』という意味もある」と開き直った。
しかし、「四次元ことばブログ」氏が、ありとあらゆる辞書を調べたけれど、どこにも「基本的に」は、ない!
首相は「云々」を「でんでん」と読む辞書を使っているようだが、この国の国語教育の向上のためにも、何という辞書をお使いか、この際、明らかにしてほしい!
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〔★は大沼〕 ◎ 19日付け ⇒ http://fngsw.hatenablog.com/entry/2017/04/19/231153
冒頭の朝日新聞デジタルの記事では、『広辞苑』『日本語大辞典』『大辞林』『日本国語大辞典』には「そもそも」を「基本的に」と説明しているものはないと書いています。それぞれの最新版に当たって確認しましたが、たしかにそのようです。
続けて、主要な中~小型辞書も引いてみましたが、「そもそも」を「基本的に」と語釈しているものは見つけられませんでした。念のため列挙しますと、『大辞泉』『新潮国語辞典』『角川国語辞典』『旺文社国語辞典』『三省堂国語辞典』『岩波国語辞典』『講談社国語辞典』『新明解国語辞典』『角川新国語辞典』『新解国語辞典』『現代国語例解辞典』『新潮現代国語辞典』『三省堂現代新国語辞典』『福武国語辞典』『集英社国語辞典』『学研現代新国語辞典』『精選国語辞典』『角川必携国語辞典』『明鏡国語辞典』『類語大辞典』『小学館日本語新辞典』『ベネッセ表現・読解国語辞典』に当たっています。
ということは、古い辞書かもしれません。主だったところから、遡るように調べていきましょう。とりあえず、それぞれの最も新しい版を引いています。『学研国語大辞典』、『国語大辞典言泉』、『旺文社詳解国語辞典』、『広辞林』、『角川国語大辞典』、『大言海』、『明解国語辞典』、『辞海』、『大日本国語辞典』、どれも違います。戦前に突入してしまいました。『辞苑』、『新式辞典』、『言泉』にもありません。『日本国語大辞典』第2版における「基本的」の初出例は1926年となっています。『言泉』は1921~29年の刊行ですから、これより遡っても出てきそうにありません。仮にあったとしても安倍首相が使っているものではないでしょう。う~ん、わかりません。
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◎ 関連 朝日新聞 首相答弁の「そもそも」、意味はそもそも? 国会で論戦
(19日付け)⇒ http://digital.asahi.com/articles/ASK4M3RGSK4MUTFK008.html
Posted by 大沼安史 at 11:19 午前 | Permalink