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2016-11-10

〔フクイチ・スーパー核惨事 6年目の秋〕◎【民の声新聞】★ 「小春日和の仮設住宅に、飯舘村民の笑い声が響いた。東北本線・松川駅からほど近い松川第一仮設住宅(福島市)」―― 自慢の味噌「さすのみそ」のキノコ汁などがふるまわれた。避難先での「収穫祭」。「原発事故は、何でも根こそぎ壊しちゃうんだ。あれがなければ、どんな形にせよ村で仲間と一緒に味噌づくりを続けられたのに…」と、81歳の「おばば」はため息をついた。

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〔★は大沼〕 ◎【民の声新聞】:飯舘村・さすのみそ】受け継がれた味噌のDNA。「原発事故は食文化をも破壊する」。笑顔の裏にある、おばあの怒りと哀しみ~仮設住宅で収穫祭
 (7日付け) ⇒ 
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

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 ★ わたしは、拙著 『世界が見た福島原発災害 第5巻 フクシマ・フォーエバー』(緑風出版) に、こう書いた。

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 俳人、松尾芭蕉はその『奥の細道』の冒頭に、「月日は百代の過客にして、行きはふ年も又旅人也」と書いた。

 わたしたちの生きる月日も――わたしたちの一生もまた百代の過客である。

 時間もまた、わたしたちとして、旅しているという人生観、時間感覚。

 「フクイチ」を現在進行形で生きるわたしたちが、それぞれの一生をバトンでつなぎで辿り着くべき「一〇万年後のフクシマ」の姿を想像することは、ある意味、実にかんたんだ。

 「3・11」という悲劇が起きる前の時代を想えばいいだけのことである。

 たとえば芭蕉が曾良と「同行二人」、元禄二年(一六八九年)の春、鬼女伝説の黒塚のある安達が原に向かう途中、福島・須賀川あたりで目にし耳にした

 「風流の初(はじめ)やおくの田植うた」

 の風景を、歌声を想えばいい。…………

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  「風流の初(はじめ)やおくの田植うた」―― 飯館村の味噌づくりも、そういう人びとの世代をつなぐ営為のなかで、受け継がれて来たことだろう。

 それをいっきに台無しにしてしまった、日本政府と東電――。

 「収穫祭」を取材した「民の声新聞」の鈴木博喜さんは、「おばば」はこう言ったと書いている。

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 「原発事故は、何でも根こそぎ壊しちゃうんだ。あれがなければ、どんな形にせよ村で仲間と一緒に味噌づくりを続けられたのに…」と菅野さんはため息をつく。

 「やわらかい孫の手を引いても〝孫見せ興行〟も出来なくなった。1人で暗闇に放り出されたようなもんだよ」。

 来春、予定通りに避難指示が解除されたら佐須の自宅に戻るつもりだ。

 「自分で食べる分くらいの味噌は作り続けたい」。

 この日もトレードマークとなった愛らしい笑顔を振りまいたが「笑ってねっか生きられねえ。好きでギャーギャー言って笑っているわけではねえんだ。死ぬわけにはいかないから」とも。

 村と味噌を愛したおばあ。

 「原子力なんて人の手に負えるものではねえよ。でも、経済優先の人は命なんてどうでも良いんだろうなあ」と怒る。

 ここにも、原発事故に翻弄され続ける人がいる。

Posted by 大沼安史 at 09:35 午前 |