〔フクイチ・スーパー核惨事 6年目の秋に〕◇ 泉田裕彦・前新潟県知事は退任後、雑誌『世界』でのインタビューで、自主避難者の権利を明確に認めた「チェルノブイリ法」が、当時の「ソ連」のいわば「県議会」にあたるウクライナ議会の決議をきっかけに制定されたことに関し、「私が福島県知事だったらそうやって動くことも可能かもしれません」と語った。
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★ 『世界』での対談で、泉田さんはこうも指摘している。
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・ そもそも、年間五ミリシーベルトというのは、日本でも病院などの「放射線管理区域」の基準で、管理区域では一八歳未満の就労が禁止されているのに、どうしてそうした線量の地域で赤ちゃんを育ててよいかとなるのか、という問題があります。
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★ また、泉田さんにインタビューしたロシア研究家の尾松亮さんは、「チェルノビイリ」での、プリピャチの住民避難について、こう指摘している。
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・ しかし翌(一九八六年4月)二七日の避難の経過を見ると、一三時一〇分に防災無線で避難の通知がなされてから、プルピャチの全住民約四万七〇〇〇人の避難が完了するまでに三時間半かかっていません。そして重要なのは、避難時に交通事故や、病人・高齢者が死亡したケースがなかったと言われることです。
ロジスティック上のミラクルとも評される、この迅速な住民避難が可能になった背景として、チェルブイリの場合、やはり軍が避難指揮をとったことが大きいと思います。バス一二〇〇台・貨物自動車二〇〇台以上、そしてその運転手を避難のために投入しています。さらに、工兵部隊が避難経路上に流れるプリピャチ川に仮設橋を建設し…………
―― これに対して泉田さんはこう答える。
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・ しかし、プリピャチの約一〇倍の(新潟県の)人口を一往復で全員輸送するとしたら、単純計算で四〇人乗りのバス一万台が必要となります。これはおよそ現実的ではありませんので二往復するとしても、バスは五〇〇〇台、運転手さんは五〇〇〇人必要で、県内だけではとても確保できません。……
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★ 要するに、原発再稼働を強行する安部政権は、付近住民のことなど、ほんとうは何も考えていないのだ。
考えていれば、旧ソ連のように軍(自衛隊)を最大限規模で投入し、住民救出を優先的に行うはずだ。
それだけの人員と装備を再稼働原発周辺に配備するはずだ!
フクイチ避難民のために、日本のチェルノブイリ法を制定し、自主避難を認め、援助を行うはずだ!
海外派兵の戦争ごっこにうつつを抜かしているときではなかろうが!
Posted by 大沼安史 at 03:52 午後 | Permalink