〔フクイチ・スーパー核惨事 6年目〕◇ トリチウム含める水も海に流し凍土遮水壁今に成らざり / 東電は「イスラム国」より非道なり被曝補償を四年なさざり / 東電とホロコーストを比ぶれば東電の悪辣さ吾の身に沁む / 東電社卑劣狡猾非常識非道隠蔽非礼集団 / 福島の地に疲れしか夫婦なる八十三歳同じ日に逝く ―― 今野金哉歌集 『セシウムの雨』
★ 「セシウムの雨」に打たれた被曝地の人々の、本心の呻きが、ここにあるような気がする! ここに心底の本音があるような気がする。
たぶん福島県庁の職員も、福島医大の人々も、内心、こういう思いであるはずだ。
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〔★は大沼〕 ◎ 日刊ベリタ 【核を詠う】 (212) 今野金哉歌集『セシウムの雨』の原子力詠を読む (6) 「融け落ちし燃料デブリは何処ならむ爆ぜし建屋に氷雨降る今日」 山崎芳彦
⇒ http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201606272034491
★ 今野金哉さんは、福島市在住の歌人。福島県歌人会の会長だそうだ。
歌集の巻頭にこう書いているという。
「この歌集は、すべての政治家、すべての反原発運動家そして全ての東京電力社員に読んでほしいと考えて出版したものである。」
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山崎芳彦さんは、今野金哉さんの歌について、こう書いている。
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……今野さんの作品は、原発事故が5年を経ても収束するどころか放射能汚染が人々を苦しめ続け、平穏、平和に健康で文化的な生活を営む人間の権利が蹂躙されている現実と、将来への不安を、まさに福島に生き、暮らす歌人としての真実の息づかいで短歌表現してきたし、これからもし続けるのであるに違いない。
多くの原発事故被害者と、原発があるかぎり「明日の被害者」にならざるを得ないこの国の多くの人びとがさまざまな「原発ゼロ」を目指す運動に取り組んでいる。
それに対して、安倍政府と加害者である電力企業と原発推進勢力は原発事故被害者を蹂躙する暴力的ともいえる姿勢をあらわにし、原発回帰を急いでいる。
いま、参院選の中で、憲法と原発をひとつのこととして考えなければならないと思う。
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◎ 現代短歌新聞社 ⇒ http://gendaitankasha.com/booksonsale.php?page=1
Posted by 大沼安史 at 03:43 午後 | Permalink