〔フクイチ核惨事 6年目の岐路〕◇ 核実験による「死の灰」降下で海洋の魚類(漁獲量)急減 / 米国のネバダ核実験の風下=大西洋ノルウェー海域、ビキニなど南太平洋での核実験の風下=カリフォルニア沖などで確認 / ストロンチウムなどの内部被曝で魚卵、稚魚を死に追い込む! / 米ピッツバーグ大のスターングラス博士が45年前に警鐘 ★ 海面へのフォールアウト(降下物)でもコレなのに、フクイチからの汚染水の「直接放流」が今後拡大されれば、太平洋の海のいのちは、どうなってしまうのだろう?
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★ スターングラス博士の論文によれば、カリフォルニア沖の場合、1946年から始まった米国の南太平洋海域での核実験に、仏、中国の核実験のフォールアウトが加わり、実験開始前の30%まで漁獲量が激減したこともあるという。
同じ太平洋海域では、旧ソ連のシベリア核実験の風下にあたるアラスカ沖でも、同じような漁獲量の急激な減少がみられたそうだ。
ネバダ砂漠での米国の核実験(1951~62年)では、大西洋北部、ノルウェー海域で同じパターンが起きた。
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カリフォルニア沖の場合、250キューリー(8兆7500億ベクレル)のストロンチウム90と、それに伴う放射能核種の降下により、1%の漁獲量の減少が見られたという。
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ニシン、サケ・マスなど魚類が捕食する「甲殻類」にストロンチウム90が蓄積され、それが魚類の内部被曝を引き起こしているとみられるが、ストロンチウム以上に危険なのは、イットリウムで、脳下垂体、甲状腺など分泌器官にダメージを与えることが、ドイツの研究で確認されているという。
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★ スターングラス博士の研究は、核実験による死の灰による海洋汚染の魚類に対する影響を調べたものだが、フクイチ現場が今後、ストロンチウム、トリチウムなどを含む放射能汚染水を海洋に垂れ流しする事態が続いた場合、太平洋の水産資源は、いったいどんなことになるのだろう?
フクイチで行方不明になっている溶融核燃は600トン。
接触した地下水が処理もされずに、数十年、数百年、あるいはそれ以上、太平洋の流入し続けたとき、海の魚たちは、いったいどういうことになるのか?
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★ 水産庁、福島県庁水産部、あるいは水産学会は、この問題を徹底解明し、太平洋の漁業持続に悪影響があるとわかれば、東電・原子力規制委員会に「放流回避」を申し入れなければならない。
とくに水産庁に対しては、「調査捕鯨」がそれほど大事というなら、どうして日本の海を、放射能汚染から守る取り組みを強化しないのか?――と言いたい。
それが、あなたがたの使命ではないのか?
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★ スターングラス博士の論文の紹介は――残念ながら、わたしの知識・能力を超えている。
どなたかに、下記論文を、わかりやすく解説してもらいたい。
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〔★は大沼〕 ◎ E.J. Sternglass, Fallout and Reproduction of Ocean Fish Populations (放射性降下物と海洋生息魚類の生殖)
(1971年10月8日付け)⇒ http://www.mindfully.org/Nucs/Fallout-Fish-Sternglass8oct71.htm
Posted by 大沼安史 at 11:03 午前 | Permalink