〔フクイチ核惨事 6年目〕◇ KORIYAMA, Japan (AP) : 「彼女はいま21歳。甲状腺癌。日本の東北、福島県の人に、(早期発見のため)検査を望んでいる」 ―― 「出る釘は打たれる」恐怖が広がる沈黙を破って、匿名でカミングアウトをした1人の女性の思いを、AP通信が世界拡散報道! / 平和な笑顔、絹の黒髪、この春、勤め始めた保育園の仕事……自分自身が結婚し、こどもを産めるか不安。「わたしは立ち直りが速い。いつも、そうやっている」と気丈に語った!
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
★ AP通信の記者は、甲状腺癌患者らの沈黙の背景にあるものを、いくつか指摘している。
・ 日本政府がフクイチ放射能によるものではない、と言っている。
・ こうした見解に挑戦していると見なされると、日本という、きびしい集団調和志向の社会では、結果を覚悟しなければならない。
・ 放射能被曝によるかも知れない癌となると、唯一の被爆国であるこの国では、ひとつの烙印を背負うことになる。
……the Japanese government says more cases are popping up because of rigorous screening, not the radiation that spewed from Fukushima Dai-ichi power plant.
To be seen as challenging that view carries consequences in this rigidly harmony-oriented society. Even just having cancer that might be related to radiation carries a stigma in the only country to be hit with atomic bombs.
★ こういう状況――ハラスメントの恐怖( fears about harassment)――があるにもかかわらず、この女性が匿名カミングアウトしたのは、早期発見のためには福島の人たちにもっと検査を受けてほしいと願っているからだ。
そして、自分が甲状腺癌だと言いだせない多くの人たちに、同じ気持ちなんだと思ってもらいたくて、表に出たという。
*
★ この女性はAP通信の記事にもある通り、東京在住の映画監督、イアン・アッシュさんのインタビュー(ユーチューブで公開)にも応じている。
⇒ https://www.youtube.com/playlist?list=PLpmdZYCRIZfvTtTE1sbY3ynaGsfDYmNWn
アッシュ監督のインタビューでは、3・11当時、15歳だった彼女が、親に心配をかけまいと、努めて明るく振る舞っていたことや、甲状腺癌と診断されたときのこと(医師個人への配慮をにじませながら)、「(医師の説明が)原発のせいにしたくない感じ」「何をやっても、すごい疲れてしまう」――など感想・体調のことを、冷静に語っている。
*
〔★は大沼〕 ◎ AP Woman breaks silence among Fukushima thyroid cancer patients (フクシマの甲状腺患者の沈黙を、一人の女性が破る)
(7日付)⇒ http://www.bigstory.ap.org/article/2311e999708d48c491efde5154514ef9/woman-breaks-silence-among-fukushima-thyroid-cancer
Posted by 大沼安史 at 08:36 午前 | Permalink