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2016-03-15

〔フクイチ核惨事 6年目入り〕◇ 3号機核燃プールへの自衛隊ヘリによる「水投下」……直前2時間余り前の「3・17」午前7時、 米軍トップのマレン統合参謀本部議長から「果敢(アグレッシブ)な行動が必要だ」などと自衛隊の決断を促す電話 ―― 投下を指揮した折木良一元統合幕僚長が明らかに ★ 実は「ヘリによる水投下」は日本側が米側に「公式要請」し、拒絶されていた作戦だった! 米側にドヤされての「決行」だったとは……! 

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 ★ 自衛隊ヘリによる3号機核燃プールへの水投下は、2011年3月17日午前9時48分から開始され、4回にわたり計約30トンが投下された。

 その作戦実施2時間前――ということは、仙台の霞の目基地からヘリが飛び立つ時刻ごろ、マレン統合参謀本部議長が折木良一元統合幕僚長へ、直々に「激励・督促電話」をかけて来た。

 折木氏が中日新聞のインタビューに対し、明らかにした。

 それによると、≪折木氏は米軍が日本政府の事故対応に不信感を抱いていたことを認めた上で「事故後最初の十日間は日米同盟が壊れかねない芽があった」と述べた。≫という。

 ということは、マレン議長は投下作戦直前の段階でも日本側に「不信感」を持っており、投下しないかも知れないと懸念して、念押しの電話をかけてきたわけだ。

 マレン≪議長からの電話は事故後二度目で、この時は強い口調で「自衛隊が最後のとりでだ。決断するのは統幕長しかいない」と言われたという。≫

 折木氏は≪マレン氏の発言について「日本政府の対応を懸念し、自衛隊が姿を見せるべきだという思いがあったと思う」と指摘。「やるべきことをやらないと同盟は壊れかねない。運命共同体ではないという当たり前のことを再認識させられた」と述べた。≫

 作戦決行直前の電話は2度目の電話で、その前にも折木氏のもとへダイレクトで電話が入っていたわけだ。

 この1回目の電話の中身について折木氏は明らかにしていない。

 また、≪折木氏は、作戦は前日夜に十七日実施を決めており、マレン氏の発言は作戦そのものに影響を与えていないとした。≫――という。

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 ★ 中日新聞インタビューの文脈からすると、米軍は日本政府(そこにはもちろん防衛省も自衛隊も含まれる)に対し、苛立ちを強め、「自衛隊を投入せよ」と圧力をかけ続けていたことがわかる。

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 ★ 真相はどうだったか?

 わたし(大沼)が調べた限りでは、「フクイチへのヘリを使った水投下」作戦は、実は日本側が米側に「要請」していたものだった。

 日本政府の「6項目支援要請」の中に含まれていた。(米東部時間同3月14日付けの米NRC関係メールで確認)

 それが結局、米軍ヘリではなく日本の自衛隊ヘリで決行されることになったわけだが、これが何を意味するかというと、

 米政府は日本政府の要求を拒絶し、「日本がやれ」と逆に迫った!

 ――ということになる。

 米軍にオンブに抱っこの日本政府側に業を煮やしたワシントンが、「お前らが起こした核惨事だろう。お前たちがやれ」と日本側に迫った!

 マレン議長の電話も、そうしたアメリカ側の怒りの表明だったに違いない。

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 ★ 折木氏によると、自衛隊ヘリによる「水投下」を決めたのは、前夜=16日夜。

 ということは、もし日本側が「アメリカ頼みの出動要請」に逃げず、自衛隊ヘリによる「水投下」を初期段階から始めていたら、あるいは核惨事の進行は低減されていたかもしれない……という重大な問題が提起される。

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 ★ 「3・11」核惨事の事故対応で教訓とすべきは、自衛隊に本格的な核事故に対する充分な装備・態勢がなかったことだ。

 だから、米軍のヘリ出動を要請し続くけ、挙句に断られ、電話でドヤされながら陸自のヘリを飛ばすようなブザマなことになってしまったのだ。

 アベ政権は再稼働原発事故対策での実効ある自衛隊出動計画・態勢づくりに乗り出すべきである。

 海外派兵より、あしもとの原発事故対策のほうが死活的に重要である。

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 〔★は大沼〕 ◎ 中日新聞 米軍トップが「果敢な行動」自衛隊に促す 福島原発、ヘリで水投下前に電話
 (7日付け)⇒ http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016030702000074.html

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 ◎ 日本政府の米側に対する「ヘリ水投下要請」については、拙著、『世界が見た福島原発災害 4』の37頁を参照。

 

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 ◆ 『世界が見た福島原発災害 4 ―アウト・オブ・コントロール』  

  ◆ 内容構成(見出し)は ⇒ http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1503-6n.html

  ◎ お急ぎの方は ⇒ http://honto.jp/netstore/pd-book_27057445.html

Posted by 大沼安史 at 02:02 午後 |