〔フクイチ核惨事の真相 米NRC情報公開文書で判明〕◆ 4号機核燃プール / 東電側がNRC(米原子力規制委)東京派遣チーム側に(2011年3月15日=米東部時間)段階で、「4号機核燃プール・ドライ(空焚き)と通告 放射能大気放出をコントロールできないかと支援を求める! ―― で、その翌日、東電、日本政府側(ヘリ空撮ビデオの「水反射」を理由に?)「空焚き」を撤回
★ 重大な新事実が判明した!
東電は(少なくとも一時的には)「4号機核燃プール核燃空焚き」を認識していた!
どうして風下になる人びとに警告を発しなかったのか?!
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〔★は大沼〕 ★ ワシントンと東京を結ぶ、2011年3月16日(米東部時間)に行なわれたNRC電話会議の議事録に、以下のようなくだりがある。
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マーティー・バージリオ氏(NRC deputy executive director 副議長) そうですね。しかし、その言明がどこから来たか、考えてみてください。東電がジョン・モナジャー〔NRC東京派遣チームの一員とみられる ★〕に昨日〔3月15日★〕言って来たことなんですよ。
MARTY VIRGILIO: Yes, but think about where that statement came from. It came from TEPCO to John Monager yesterday.
ヤツコNRC議長 わかった。情報源はそれだね?
NRC CHAIRMAN JACZKO: Okay, that’s the source of it?
マーティー・バージリオ副議長 その通りです。
MARTY VIRGILIO: Yes.
ヤツコ議長 東電が〔4号機核燃〕プールがドライ(乾いてしまった、冷却水全蒸発、つまり空焚き状態)だと言った?
NRC CHAIRMAN JACZKO: TEPCO said the pool was dry?
マーティー・バージリオ副議長 その〔東電〕の彼が昨日、そう言って来たのです。そして、プールがドライになっていることを前提に、ジョンに頼んで来たんです。4、5件、依頼があったんです。放射能の放出をコントロールすることで、われわれが何が出来るか、聞いて来た。
MARTY VIRGILIO: That’s what he told John Monager yesterday, and they asked John, given a dry pool, what are the four or five things, what things could we do to control the radiation release?
ヤツコ議長 わかった。
NRC CHAIRMAN JACZKO: Okay.
チャック・カスト氏(NRC東京派遣チーム・リーダー) しかし、情報源はそれひとつだけじゃない。ジム・トラップ〔東京派遣チームの一員とみられる〕にも、彼ら〔東電側〕は同じことを言って来ている。〔★ ここで情報がダブルチェックで確証されたことになる〕
CHUCK CASTO: And I don’t think that’s the only one. I think, to Jim Trapp, they told him the same thing.
ヤツコ議長 わかった
NRC CHAIRMAN JACZKO: Okay.
チャック・カスト氏 そしていま、今日になって、彼らはこう言いだしているわけだ。「わたしたちは、〔4号機核燃プールが〕ドライになるかもしれないと想定してみただけのことですよ」と。
CHUCK CASTO: Now today they’re saying, “Well, we were just postulating that it would go dry.”
ヤツコ議長 わかった
NRC CHAIRMAN JACZKO: Okay.
マーティー・バージリオ副議長 わたしが言いたいのは、モネジャーに対して、とても明確な言い方だった、ということだ。彼らはモネジャーに、〔4号機核燃プールは〕ドライ〔空焚き状態〕になっている、何らかのアクションが必要だと言ったんだ。プールの冷却が失われたとき、どんな対策をとるのか、聞いて来た。
MARTY VIRGILIO: I mean that was pretty clear with Monager; they had told him it was dry and we needed some actions. What actions would you take if you had lost the integrity of the pool?
ヤツコ議長 わかった。よくわかった。わかった。
NRC CHAIRMAN JACZKO: Okay. That’s fine. Okay.
マーティー・バージリオ副議長 だから、東電と日本政府はいま態度を変えて来ている。やるもんだな。
MARTY VIRGILIO: So, TEPCO and the Government are now changing their position. That’s great.
ヤツコ議長 わかった。
NRC CHAIRMAN JACZKO: Yes.
マーティー・バージリオ副議長 でも、わたしは希望を持っている。昨日よりも、よい状況を目にしたいものだ。
MARTY VIRGILIO: You know, I am hopeful, I’d like to see a better situation than we had yesterday.
ヤツコ議長 そうだね。そうだね。わかった。
NRC CHAIRMAN JACZKO: Yes, yes. Okay.
男性参加者 でも、われわれは〔4号機の〕周辺で、(高い)線量(レム/時)を検知している。最低限、かなりの〔プール内の〕核燃がすくなくとも大気にさらされている、ということだけは言える。
MALE PARTICIPANT: Notwithstanding we’re also recording dose rates in rems per hour in the vicinity. So, at a minimum, there’s at least a significant amount of fuel that’s exposed.
ヤツコ議長 そうだね。
NRC CHAIRMAN JACZKO: Yes.
マーティー・バージリオ副議長 その通りですね。わたしが見た最新のデータでは、3号機と4号機の間で30レムあった。どこから届いた測定値か、知らないけれど。
MARTY VIRGILIO: Right. The last I saw was 30 rem between Building 3 and 4. I don’t know where that number came from.
男性参加者 その線量だ。むき出しになった核燃料からの放射能だ。
MALE PARTICIPANT: That’s right. That’s from uncovered fuel.
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★ この情報公開された電話会議録で注目すべきは、東電当局者がNRCの東京派遣チームのメンバー2人に対し、それぞれ別個に、15日(米東部時間)時点で、4号機核燃プールが「ドライ(空焚き)」(になっていると通告、対策をとるよう求めていた「新事実」が明らかになったことだ。
2011年の「3月15日」といえば、日本時間午前6時14分ごろ、4号機「建屋内で水素爆発」があった日。
その日に(「水素爆発」との関連はさておき)、4号機の核燃プールがドライ(空焚き)になったと、東電側はNRCに(ダブルルートで)通告していた!
(東電は、この4号機核燃プール・ドライの事実認識を、国民に告げなかった! この点は今後、追及さるべき重大な国民に対する背信行為を思われるが、それはともかくとして……)
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★ そして――それなのに、「東電と日本政府」は、ヘリ空撮ビデオのコピー現物の提供を拒否しながら、「プールに水の反射が写っている」ことを理由に、「空焚き」はなかったと態度を一変させていた!
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★ わたしは、ヘリ空撮ビデオが「プール内の水(水面)をとらえた」決定的な証拠であるなら、NCRが求めた撮影ビデオ実物コピーの提出を東電が断るはずがない、と考えている。
だとすると、ここから、ひとつ、重大な隠蔽工作疑惑が浮かび上がる。
東電、あるいは日本政府側に知恵者がいて、どうせ空焚きしてしまった以上、取り返しがきかないのだから、いっそ「プールに水があることにしてしまえ」となったのではないか、という(あくまでも憶測だが)疑惑が浮かび上がるわけだ。
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★ いずれにせよ、東電が4号機核燃プールについて、(たとえ一時的にせよ)「空焚き」を認識していたことの意味があまりにも大きい。
さきほどもすこしふれたように、「空焚き」とわかった時点で、どうして東電は、風下の国民に対して、警報を発しなかったのだろう?
この点は、こんご相次ぐと見られる被曝訴訟の重要な論点にもなってゆくはず。
メディア関係者などの徹底した再調査をお願いしたい。
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〔★は大沼〕◎ エンフォーマブル NRC Transcripts – TEPCO video of Unit 4 SFP inconclusive – Japan claiming reflection of water but could be anything
⇒ こちら
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◎ 本ブログ関連 2016-01-09 〔フクイチ核惨事の真相 米NRC情報公開文書で判明〕◆ 4号機核燃プール / 日本側 「プールの水の反射を撮影した」とするヘリ空撮ビデオの現物コピーを、NRCが東京に急派したチャック・カスト氏率いる対策チームに提供せず! カスト氏「会議の場で提供を求めても拒否された!」―― ★ 「水のあるビデオ」、偽装工作の疑い、急浮上! 4号機核燃プールは「空焚き」状態となり、核燃100%大気放出の疑いがますます強まった!
⇒ こちら
Posted by 大沼安史 at 12:38 午後 | Permalink