〔フクイチ核惨事の真相 米NRC情報公開文書で判明〕◆ 2号機で爆発(音) ―― 日本時間・2011年3月15日午前6時20分 「2号機で爆発音。圧力抑制室の圧力が低下しており、圧力抑制室内で何が起きた可能性」と、日本政府の「原子力安全・保安院(NISA)」が、米側に公式に報告していた!
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★ 米国の市民団体「エンフォーマブル」が整理・分析したNRCフクシマ情報開示文書の中に、メアリー・ウェグナー氏が2011年3月16日午前7時19分(日本時間16日午後8時19分)発で、日本政府(経産省)の「原子力安全・保安院(NISA)」からの報告(Subject: From NISA)を、ベンジャミン・ビズリー氏に伝えるメールが含まれていた。
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★ NISAからの報告は、フクイチ全体の事故進行状況を箇条書きで要約したもので、2号機の部分を抜き出すと、以下のようになっている(時間はNISA報告なので、日本時間とみられる)。
① 〔3月14日午後10時14分〕東電は2号機の炉心核燃料の損傷を「5%未満」と推定
② 〔同 午後10時50分〕2号機圧力容器内の水位が低下
③ 〔3月15日午前6時20分〕2号機で爆発音。圧力抑制室の圧力が低下しており、圧力抑制室内で何が起きた可能性
There was a sound of explosion in Unit 2. As the pressure in Suppression Chamber decreased, there was possibility that an incident occurred in this Chamber. (06:20 March 15th)
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★ つまり「2号機で爆発(音) 爆発場所は圧力抑制室の可能性」は、日本政府〔「原子力安全・保安院(NISA)〕から米政府へ公式に報告されていたわけだ!
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★ これに対して、東電は、2号機について、「原子炉建屋の水素爆発には至らなかったものの、大量の放射性物質を放出する結果になりました」としており、≪2号機では「爆発はなかった」と結論づけ≫ている。
そして、2号機のでの爆発そのものも「同じころに起きた4号機の爆発を誤って認識したものと結論づけて」否定。
つまり、2号機は「爆発なし」の立場を採っているわけだ。
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「3月15日の早朝、2号機の格納容器の付近で大きな爆発音がしたことについては、敷地内の地震計のデータを詳しく解析したところ、2号機では爆発は起きておらず、同じころに起きた4号機の爆発を誤って認識したものと結論づけています」(NHKによる東電事故調査中間報告の報道 2011年11月29日付け )
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★ しかし、日本政府(NISA)は米政府(NRC)に対して「2号機で爆発音。圧力抑制室の圧力が低下しており、圧力抑制室内で何が起きた可能性」と公式に報告している以上、東電の「2号機爆発なし」は真実の否定(隠蔽)――ホワイトウォッシュであると言わざるを得ない。
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★ それでは、国会事故調査委員会の報告書は、この点に関し、どんな報告を行なっているか?
報告書の150頁にはこう書かれている。
「このとき4号機の原子炉建屋で爆発が発生した。同じころ、2号機のトーラス室においてもごう〔轟〕音が聞こえたとのことであり……」
つまり、国会事故調報告書では、爆発場所を「2号機のトーラス室」と特定し、しかも爆発音が「轟音」だった(轟音として聞かれていた)と明記しているのだ。
3号機を隔てた4号機の爆発と聞き間違えるのは、不自然である。
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★ 東電が2号機爆発を意図的に隠蔽したとして、その動機は何だったか?
これはあくまでも推測だが、1号機の水素爆発に続き、3号機であの巨大爆発を起こしてしまった東電としては、2号機も爆発さえました、とは(あまりにも恐ろしいことで)言うに言えなかったのではないか!
しかも、2号機はフクイチ最大の放射能放出炉。
爆発して放出……とまで言うことができなかったのではないか?
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★ フクイチ5周年――第二国会事故調による再調査が必要だ。
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〔★は大沼〕 ◎ March 16th – Reactor 2 Explosion – Fires in Reactor 4 – Onagawa NPS levels 6.1 uSv/h
⇒ こちら
http://enformable.com/2012/01/march-16th-2011-reactor-2-explosion-fires-in-reactor-4-onagawa-nps-levels-6-1-usvh/
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* TEPCO evaluated that core damage of Unit 2 is “less than 5%” (22:14 March 14th)
* Water level in RPV in Unit 2 was decreasing. (22:50 March 14th)
* There was a sound of explosion in Unit 2. As the pressure in Suppression Chamber decreased, there was possibility that an incident occurred in this Chamber. (06:20 March 15th)
Posted by 大沼安史 at 05:16 午後 | Permalink