〔アベノ再稼働 許すまじ〕◆ 「この決議に意味はない」と書いた「愛媛新聞」(社説)の気概! ―― ◎ 広瀬隆さんが「社説」の、手厳しくもまっとうな批判を、高く評価! ≪なぜかと言うと、「この再稼働同意決議に意味はない」と書いている≫ ★ わたしは愛媛新聞社説子の文章を、お手本にしてきた! 静かで、断固とした、不正義を許さない、鋭くも清らかな筆致!
〔★は大沼〕 ◎ 愛媛新聞 伊方再稼働容認決議 県民の不安は払拭できていない
(2015年10月10日付け) 以下のブログで記録!
⇒ http://ameblo.jp/tomemassyoi/entry-12083749341.html
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◎ 広瀬さんが愛媛新聞社説を、以下4つのポイントごとに解説!
◆ 10月9日に愛媛県議会が伊方原発の再稼働に同意しました。議会が再稼働に同意という、トンデモナイことが進行している真っただ中にあります。
でも、その翌日の「愛媛新聞」の社説がすばらしいのです。
なぜかと言うと、「この再稼働同意決議に意味はない」と書いている。これだけはっきり書く地元紙は、原発のある県ではめずらしいです。
◆ 愛媛新聞」が書いている言葉の、大事なポイントを言います。
1つ目は、県議会で審議したというけれど、参考人として呼んだのは、原発を推進し、今のゴーサインを出してきた原子力規制庁、経済産業省、四国電力、原発推進論者しか参加していないから、これは審議になっていないと指摘している。
2つ目は、県民の意志が一番に大事ですが、「愛媛新聞」が、今年2~3月のアンケート調査で、県民の69.3%が再稼働に反対していることです。
私は、6割くらいかと思っていましたが、もう7割ですからね。この数字には私も驚きました。
これは、ただ増えたのではなく、多くの人の活動によって原発の危険性が広く伝えられ、ここまで数字があがった成果です。愛媛県は、私も何度も訪れてきました。元々かなり保守的な人たちが多いのですが、ここまで反対する人が増えたことは、希望ある大きな変化です。
3つ目は、これが大事なのですが、安倍晋三が「大事故が起これば責任を持って対処する」と語ったこと。これからお話ししますが、フクシマ原発事故の被害者に対して、救済をまったく何もやっていない人間、安倍晋三が! ですよ。
何もやっていないどころか、放射能まみれの一番危険なところに福島県民を戻そうとし、賠償金のカットを進めているわけですから、「人殺し」しかやっていないわけです。そういう人非人の行為を平気でやっているのが、日本の総理大臣だ。そんな人間の言葉を、愛媛県の中村知事が、「この言葉を評価する」と言ったのです。一体、中村時広はどこを見ているのだ、と。このように根拠のないデタラメを言うな! と。
4つ目が、佐田岬半島のつけ根に伊方原発があるので、大事故になれば、住民はどうしますか?
ノコギリの歯のように伸びたその岬の先にいる人は、海をはさんで、向かい側が九州の大分県ですからね。海底地震で大事故が起こる可能性が高いのですから、海が荒れて、住民は絶対に逃げられない。その人たちは、どこに向かって逃げるかというと、放射能が放出されている伊方原発の前を通って、松山方面に逃げていくほかない。つまり、死に向かって避難することになる。
その避難方法を「具体的、合理的と判断している」と、日本政府が言っているのです。そんなバカなことがあるか。逃げられるはずがないだろう、と。
◎ ダイヤモンド書籍オンライン 広瀬隆さん ⇒ http://diamond.jp/articles/-/82660?page=2
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◎ 愛媛新聞オンライン ⇒ http://www.ehime-np.co.jp/
◇(関連記事)多田謡子反権力人権賞 斉間淳子さん(八幡浜)選出2015年12月20日(日) ⇒ http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20151220/news20151220646.html
・ 人権擁護に尽力した個人・団体を顕彰する「第27回多田謡子反権力人権賞」に、四国電力伊方原発(伊方町)への反対運動を続ける「八幡浜・原発から子どもを守る女の会」代表の斉間淳子さん(72)=愛媛県八幡浜市向灘=が選ばれた。
・ 八幡浜市で育った斉間さんは、親族が四電社員で当初は活動をためらうこともあったが、署名やデモを長年続け、2011年の東京電力福島第1原発事故以降は毎月11日に伊方原発ゲート前で座り込みをしてきた。
斉間さんはビデオレターで「福島の事故で伊方も同じように帰るふるさとがなくなる可能性があると思った。地元にある反対の声を知らせ続けることが重要」と力を込めた。
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◎ 伊方再稼働容認決議 県民の不安は払拭できていない
愛媛新聞 社説 2015年10月10日(土)⇒
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201510108611.html
(ジャーナリズム史に残るべきものであるので――しかも名文であるので、ここに記録します)
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県議会が、四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働を認める決議案を自民党などの賛成多数で可決した。中村時広知事は県議会を「県民の代表」と位置付けており、その意思決定を再稼働の是非を判断する重要な材料の一つに挙げている。
賛成派の中には「再稼働に一歩近づいた」とみる向きもあろうが、原発の安全性に対する県民の不安は、東京電力福島第1原発事故から4年半がたっ た今もほとんど払拭(ふっしょく)できていない。県民が抱く大きな不安を最重要材料と考えれば、県議会の決議にとらわれる必要はない。中村知事には、四国 の電力が原発なしでも十分に足りている現状を鑑み、慎重な判断を求めたい。
地元の伊方町議会は一足先に再稼働を求める陳情を全会一致で採択した。とはいえ、議会の特別委員会はほぼ非公開。本会議での質疑や討論もなかった。反対派の町民の意見がきちんと反映されたのか、疑問を抱かざるを得ない。
県議会の審議でも、特別委員会に出席した参考人は原子力規制庁や経済産業省、四電の担当者らにとどまった。社民、共産両党の委員が求めた「原発 の安全性に懐疑的な専門家」を招いて、賛成・反対両派の視点を交えて審議を進めるべきだった。多様な意見に耳を傾けようとしない姿勢は、とても「県民の代 表」とは言い難い。
県議会の「再稼働容認決議」には議長を除く46人の議員中、39人が賛成した。しかし、再稼働に賛成する県民が同じ比率でいるとは到底思えない。
愛媛新聞が2~3月に実施した世論調査では、県民の69.3%が再稼働に否定的だった。西予、宇和島両市が行ったアンケートでも反対意見が過半数を占めた。こうした県民の意向を無視することは許されない。
万が一重大事故が起きた場合に、安倍晋三首相が「責任を持って対処する」と明言したことを中村知事は評価したが、国がいかに無責任かは福島の事故で明らかになった通り。今もなお多くの人たちが塗炭の苦しみを味わっていることが、その何よりの証左だ。
佐田岬半島の住民が、風向きによっては原発の前を通って内陸部に避難するなどという非現実的な計画を「具体的かつ合理的」と判断する政府を信用 するわけにはいかない。11月には伊方で国の防災訓練があり、船舶を利用して大分県側への避難もする予定だが、たとえ訓練がうまくいったとしても、安全性 の担保にはなり得ない。地震や津波など複合的な要素が絡み、まったく同じ条件で災害が発生する可能性は極めて低いからだ。
原発を今後どうするか。県民の間で賛否が分かれる重大な問題にもかかわらず、公開討論会なども開かれていない。原発と無関係ではいられない一般県民の意見を聞く機会すら設けようとしない県の姿勢は、政府と同様「再稼働ありき」との批判を免れまい。
Posted by 大沼安史 at 04:30 午後 | Permalink