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2015-12-28

〔安倍首相 訪印 核不拡散条約加盟を拒否しているインドと原子力協定を結ぶことで合意〕◆ その背景に、インド南部、「チャーレーカー(Challakere)」で進む「熱核兵器(水爆)」量産「秘密核都市」・極秘プロジェクトがあった! 米有力外交誌「フォリン・ポリシー」がスクープ報道 低濃縮ウランの核燃も確保し、原子力潜水艦隊も配備へ ★ 安倍政権は「知らなかった」では済まない。

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 ◎ 関連 参考 本ブログ 既報 2015-12-26〔夕陽村舎日記〕 「緑」と「死の灰」 ―― 日印の岐路、または「緑の父(グリーン・ファーザー)」の夢
   ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2015/12/post-9b5a.html

 ◎ FP Exclusive  : India Is Building a Top-Secret Nuclear City to Produce Thermonuclear Weapons, Experts Say
 (16日付け)⇒ http://foreignpolicy.com/2015/12/16/india_nuclear_city_top_secret_china_pakistan_barc/

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 ★ 「フォリン・ポリシー(FP)」が上記、特報記事をネットで公開したのは、安倍首相がインドのモディ首相との首相会談で、「日印原子力協定」に合意した12日の4日後のこと。

 あきらかにタイミングを狙い澄ましたスクープ報道だった。

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 FP誌に長文記事を寄せたのは、ワシントンの調査報道NPO、「公共保全センター(Center for Public Integrity 、CPI )」。

 米英豪印などの専門家、政府高官、軍関係者らインタビューし、現地取材を重ね、機密のヴェールに包まれた「チャーレーカー・熱核兵器(水爆)量産・秘密核都市」プロジェクトの全容に迫った。

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 インド南部(の都市)チャレーカー(カルナータカ州)の、カヴァルとよばれる草原地帯で、土地造成が始まったのは、いまから4年近く前、2012年のはじめのことだった。遊牧民、ラムバニ族が工事を見てビックリした。

 そして、その年の秋、近くのカラリ村の農民がピーナツを採りに来て、鉄条網の策に遭遇。

 村会議員が州政府、中央政府の役人に問い合わせても、回答を拒否されるばかり。

 「環境支援グループ」という環境保護団体に相談、同グループが弁護士が調査に入ったが、「闘っても無駄だ。インド首相府マターだ」と警告された。

 広大なカヴァルの入会地で、インド中央政府の――インドの国会議員も知らない、何かしら巨大な秘密プロジェクトが進んでいることだけはわかった。

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 その2年半程前のことだった。2009年5月、地元カルナータカ州の州政府が造成のため、極秘に17.36平方キロ(4290エーカー)の広大な土地を、インド軍部の付属機関のDRDO(防衛研究開発機構)にリースした。

 DRDOは核開発・ウランの遠心分離にあたる大規模機密機関。

 同州政府はまた同様に6平方キロ(1500エーカー)をインド科学院にもリース。

 2010年12月には2・3平方キロ(573エーカー)を「インド宇宙研究機構」に貸し与えた。

 さらに、DRDOとならぶインドの核開発機関、「バーバー原子力センター(BARC)」も、7.32平方キロ(1810エーカー)を買収して取得。

 計33平方キロの用地が、極秘裏にインドの核開発・軍事複合体の手に引き渡されれていた。

 このため「環境支援グループ」が地元州高裁に土地取得の全容を開示するよう訴えたところ、これとは別に44平方キロ(1万850エーカー)者土地が、インド軍一個旅団(2500人)、州予備役警察隊の駐屯地のために確保されていることがわかった。

 チャレーカーで、インド国軍、武装警官隊が防護する大規模・軍事核都市づくりがひそかに進んでにいることが明らかになった。

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 しかし、このチャレーカーでのプロジェクトと連動して、もうひとつの極秘プロジェクトが進んでいた。

 チャレーカの南、160キロ。アルナータカ州の都市、マイソール近くにある「希金属プラント」と呼ばれる核開発施設で、大規模が工場増設が開始されたのだ。

 軍情報の権威誌、「ジェーン・ディフェンス・インテリジェンス」が米国の核査察専門家(元IAEA・イラク主査)のロバート・ケリー氏の協力で、このマイソール核施設の拡張状況を衛星写真でモニタリングしたところ、最新世代のカーボン繊維を使ったウラン遠心分離装置を稼働できる規模と分かった。

 ケリー氏の結論によれば、旧式の分離装置と合わせ、年間182キロの兵器級の濃縮ウランの製造が可能。

 この182キロという量は、TNT火薬10万トン以上の威力を持つ熱核爆弾(水爆)を、27~45発もつくれる数字だ。

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 こうしたことから米英豪などの専門家たちは、チャレーカに建設中の核都市は、このマイソール基地から供給される兵器級濃縮ウランを使って、熱核爆弾を量産するためのものではないか、と推理しているわけだが、この背景としてあるのは、インドが1974年、核実験(原爆)を行なったあと、1998年、水爆実験に実は失敗し、核開発に遅れをとっていることが挙げられる。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、インドが所有する核は90~110発。

 これに対してインドと対抗関係にあるパキスタン、最大120発。

 中国は260発。

 パキスタン、中国がインドを数的に上回っている。

 とくに中国は1967年に水爆実験に成功しており、インド軍部としては「チャーレーカー・マイソール」プロジェクトでもって巻き返しを図ろうとしているようだ。

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 もうひとつ、水爆開発とともに、ワシントンの調査報道NPO、「公共保全センター」が指摘しているのは、インドの原子力潜水艦隊の配備問題である。

 インド海軍はすでに原潜1号艦、「アリハント号」を建造、2016年に就航予定で、2号艦「アリハマン号」を建造中。

 これら原潜はBARCが開発したウラニウム原子炉(濃縮30%で稼働)を装備したもので、このための核燃生産も「チャーレーカー」で行なわれるのではないか、と見られる。

 インド海軍の原潜は核ミサイルを12発装備する予定で、この生産も「チャーレーカー」で行なわれるようだ。

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 こうしたインドの動きは、地域の新たな核開発競争の引き鉄を引くもので、わたし(大沼)としては、「公共保全センター」の調査報道が警告する濃縮ウランを使った水爆量産とともに、それと密接に関連するプルトニウム量産の行方の方が心配される。

 インドの核権力がプルトニウム増産に狙いをつけないわけがないからだ。

 インドには現在9つの原子炉施設があるが、核不拡散条約未加盟であるほか、米国との原子力協定(ブッシュ政権が締結、連邦議会で批准すみ)で、「国内産のウラン」を使用していることから国際査察をまぬかれている。

 しかし、インドのモディ政権は豪からウランの供給を受けることで前タルボット政権と合意。

 そればかりか、カナダ、モンゴル、アルゼンチン、ニジェールからウラン輸入を開始している。

 言うまでもなく、それらのウランを原子炉で燃やしてできるのが、プルトニウム……。

 ここから安倍首相の訪印の日印原子力協定の重大性(危険性、脅威)が一気に浮き上がるわけだ。 
 
 安倍首相は原発輸出に弾みがかかればいいと考えているだけかもしれないが、実はインドの「核大国化」の推進役を引き受けているわけだ。

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 「チャーレーカー」での核都市づくりについては、今回のように米国の調査報道機関が報道するくらいだから、安倍政権として知らないはずはない。

 にもかかわらず、インド側と原子力協定を結んだとしたら、「唯一の被爆国」の倫理と自制を自ら踏み躙ったことになる。

 インドの核開発について、米国のオバマ政権はブッシュ政権より引いたスタンスをとっているが、この4年間、米国製武器をインドに売りまくっていることもあり、懸念は示しているけれど、「待った」をかけられないでいるらしい。

 唯一、「待った」をかけることができるのが、日本であったのに、安倍政権は歴代政権の慎重さを忘れ、金儲けに走ってしまったわけだ!

 このまま日印原子力協定を批准してしまうようだと、日本の「戦後非核外交のレガシー」は一発で吹き飛んでしまう。

 アベノジャパンはいま、とんでもなく罪深いことをしている、と思わざるを得ない。

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 さて、「チャーレーカー」では、高さ4.6メートルの防壁が27.2キロにわたって築かれ、村人の立ち入りを阻んでいる。

 周辺は建設用地の地下水のくみ上げで不作に苦しみ、なんと101人の農民が自殺に追い込まれている。

 用地内には地元民のアニミズム信仰の聖域もあるが、そこを訪ねることさえ許されないという。

 地元の人々を生活破壊に追い込みながら、「チャーレーカー」の施設は2017年以降、順次完成して行く見通しだ。

 そして核開発にともなう、猛烈な放射能汚染が周辺を襲い続けてゆく……。

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 安倍政権は「知らなかった」では済まされない。

 日本国会は、インドを死の灰でまみれさせる「日印原子力協定」の批准を拒否するべきである。

Posted by 大沼安史 at 11:28 午後 |