〔許すまじ 川内再稼働〕◆ 東京新聞・社説 / 「再稼働を推し進めるということは、3・11の犠牲に対する侮辱でであり、安全神話への回帰にほかならない」―― 鹿児島湾を中心に、小林、阿多、加久藤といったカルデラが南北一直線に並んでおり、過去の巨大噴火の際には、原発がある川内川の河口にも火砕流が届いていた……規制委は、巨大噴火の予知は可能で、万一の際にも核燃料を安全に運び出す余裕はあると言う。しかし、ほとんどの火山学者がそれを否定する。
〔★は大沼〕 ◎ 原発ゼロが終わる日に 誰が責任を負うのか
(11日付け)⇒ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015081102000143.html?ref=rank
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◎ 関連 東京新聞 : 原発事故 賠償備え貧弱 川内再稼働……「無責任」の声 / 新たな原発事故が起きた場合、資金的手当てはどうなるのか。政府は福島事故での賠償の枠組みを使う方針だが、実は十分な手当てのめどは立っていない。九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が十一日にも再稼働する見込みだが、賠償の備えはほとんどなく、専門家から「無責任だ」との声が上がっている。
(9日付け)⇒ http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015080902000125.html
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◆ 東京新聞・社説より。
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・ あの日からやがて四年半。現に十一万もの人々が、いまだ故郷を追われたままで、十分な補償も受けられず、あるいは中途半端に打ち切られ、放射能による将来の健康不安を押し殺して暮らしているではないか。
原発には、それぞれ個別の不安もある。
川内原発は、姶良(あいら)カルデラ(火山性のくぼ地)の西、四十五キロという位置にある。鹿児島湾の奥にある巨大噴火の痕跡だ。桜島も、その上にのっている。
鹿児島湾を中心に、小林、阿多、加久藤(かくとう)といったカルデラが南北一直線に並んでおり、過去の巨大噴火の際には、原発がある川内川の河口にも火砕流が届いていたことは、九電も規制委も認めている。
規制委は、九電の主張そのままに、巨大噴火の予知は可能で、万一の際にも核燃料を安全に運び出す余裕はあると言う。
しかし、ほとんどの火山学者がそれを否定する。規制委の判断は、科学的にも、あいまいなままなのだ。
このような状態で再稼働を推し進めるということは、3・11の犠牲に対する侮辱であり、安全神話への回帰にほかならない。
Posted by 大沼安史 at 02:12 午後 | Permalink