〔安倍首相訪米〕◆ 沖縄タイムスと琉球新報の社説 / <日米「辺野古」再確認> 露骨な切り捨ての論理(沖縄タイムス) / <砂上の日米同盟 人権と民主主義の無視だ 敵意に囲まれ持続は不可能>(琉球新報)
◎ 沖縄タイムス ⇒ http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=113745
・ 日米首脳会談が開かれた28日は、サンフランシスコ講和条約が発効し、沖縄が米施政下に置かれた63年前の「4・28」と同じ日付である。
菅義偉官房長官は同じ日に、4月28日の政府主催の「主権回復の日」の式典を「今後、5年とか10年の節目で行っていきたい」と、言ってのけた。
この政権は今や、沖縄切り捨てを何とも思わないほどに、おごりが高じてきたようだ。
◎ 琉球新報 ⇒ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-242413-storytopic-11.html
・ 新基地を建設するか否か、沖縄には口出しできないとする態度は、沖縄の人々には自分の土地の将来を決める権利もないということである。これで「民主主義、人権など基本的価値の上に立つ」などと、よく言えたものだ。
「法の支配」とは、処罰するか否か、統治者や権力者が恣意(しい)的に左右できない公平性を意味する。だが辺野古では前述のように「制限区域」なる勝手な線引きも政府の思うがままである。サンゴの破壊が明らかでも、環境保護を所管する県の立ち入り調査は認めないが、工事の船は自由に往来する。このどこが「法の支配」なのか。
・ ただ、共同記者会見の内容は注意深く見た方がいい。日本政府は「辺野古移設推進で両首脳が合意した」と盛んに宣伝するが、オバマ氏は「辺野古」の単語を発しておらず、「在沖海兵隊のグアム移転を進める」と述べただけだ。米側が辺野古を最上と考えているかどうかは分からない。「唯一」と叫ぶのは日本側だけである。
・ 首脳会談でオバマ氏が尖閣を「日米安保条約5条の適用対象」と述べた点も誤った解釈が横行している。まるで尖閣のために米軍が中国と戦争するかのように言いなす人がいるが、幻想だ。
第5条は両国がそれぞれ自国の憲法の手続きに従うとうたう。米国憲法は「戦争宣言」の権限は米議会にあると定める。開戦するか否か議会が決めるのだ。5条を適用するというのは「議会に諮る」という意味にすぎない。そして、東シナ海の無人の岩のために米国の若者が血を流していい、と議会が考えるはずはないのである。
Posted by 大沼安史 at 09:30 午前 | Permalink