〔川内再稼働を許してはならない〕◆ 「原子力規制委員会は地震のリスクを無視している」――ブルームバーグが、地震学者、石橋克彦さんの批判と警告を、全世界に拡散報道! ★ フクイチ核惨事を予言・警告していた石橋さんが、川内での「二の舞」を心配している! 国際社会にも懸念は広がっているはず! 「アベノ再稼働暴走」を止めよう!
〔★は大沼〕 ◎ ブルームバーグ : Japan Earthquake Expert Says Nuclear Watchdog Ignoring Risk
(1日付け)⇒ http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-04-30/japan-earthquake-expert-says-nuclear-watchdog-ignoring-risk
・ Ishibashi says he doesn’t want his forecasts to play out again.
“I don’t want to experience that again, warning about a disaster and then seeing it take place and causing so much damage,” Ishibashi said at a media briefing in Tokyo on Monday.
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◎ 関連 / 週刊朝日: 地震学者が「川内原発の審査は『耐震偽装』ともいえる大問題」と警告
(2014年9月29日)⇒ http://dot.asahi.com/wa/2014092600031.html
・ 一言でいうならば、耐震設計の基準とする揺れ=「基準地震動」を策定する手続きが規則で決められているのに、それを飛ばしているのです。これは基準地震動の過小評価につながり、法令違反とさえ言えます。
原発の安全上重要な施設は、基準地震動に対して無事であることが求められています。そのため、「内陸地殻内地震」「プレート間地震」「海洋プレート内地震」について、敷地に大きな影響を与えると予想される地震を複数選び、それらによる地震動を検討することになっています。
しかし九電は、活断層による内陸地殻内地震しか検討しませんでした。プレート間地震と海洋プレート内地震については、揺れは震度5弱に達せず、原発に大きな影響を与えないとして無視したのです。
実は、けっしてそうは言い切れません。地震学的に、具体的な懸念があるのです。ところが審査では、九電の言いなりにしてしまった。
プレート間地震については、社会問題にもなっているように、内閣府の中央防災会議が駿河湾~日向灘にマグニチュード(M)9級の南海トラフ巨大地震を想定しています。そこでは、川内付近の予想最大震度は5弱に達しています。
しかも、これは全体の傾向をみるための目安にすぎないので、特定地点の揺れは別途検討するように言われています。震源のモデルを安全側に想定すれば、川内では震度6になるかもしれません。
海洋プレート内地震については、九州内陸のやや深いところで発生する「スラブ内地震」が重要です。「スラブ」というのは、地下深部に沈み込んだ海洋プレートのことです。
1909年に宮崎県西部の深さ約150キロで推定M7.6のスラブ内地震が起こり、宮崎、鹿児島、大分、佐賀で震度5を記録して各地に被害が生じました。
スラブは鹿児島県の地下にも存在しますから、もっと川内に近いところのスラブ内大地震を想定すべきです。そうすれば川内原発は震度6程度の揺れを受ける恐れもあります。
基準地震動は1万~10万年に1度くらいしか起きない地震を想定すべきものです。だからプレート間巨大地震とスラブ内大地震も検討する必要があるのに、九電も審査側も、規則を無視して「手抜き」をした。
九電は、内陸地殻内地震による基準地震動については、原発から少し離れた活断層で起こるM7.2~7.5の地震を想定して、最大加速度540ガル(加速度の単位)としました。
南海トラフ巨大地震とスラブ内地震では、この値を超えるかもしれません。前者については、九電は免震重要棟のために長周期地震動をいちおう検討しましたが、内閣府の震源モデルの一部をつまみ食いしただけの不十分なものです。
Posted by 大沼安史 at 10:21 午前 | Permalink