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2014-09-22

[フクイチ核惨事]◆ 日本学術会議が、放射能対策で、政府の「府省分業的研究組織」などを批判する提言 「移住」を含む新生活支援も求める 

 ★ 原子力規制委員会の「モニタリング調整会議 科学者の直接関与を‘排除’ 

 ★ 「行政主導モニタリング」の問題点も指摘 水系モニタリング チェルノブイリでは行われているのに、フクイチでは河川を通じた放射性物質の推計なし

 ★ 森(林産物)、今後放射能が蓄積する見通し 

 ★ フクイチ周辺を科学者に公開し、集中的モニタリングを

 ★ 行政のトップダウン・オンリーでは国民の信頼を取り戻せない 

 ★ 移住の選択を含む新生活支援を求める政府に求める

 ★は大沼 ◎ 日 本 学 術 会 議 東日本大震災復興支援委員会界 放射能対策分科会 「復興に向けた長期的な放射能対策のために ー学術専門家を交えた省庁横断的な放射能対策の必要性ー」(19日付け)
    ⇒ http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t140919.pdf

 ・ しかし、放射性物質がそれぞれの領域間をどのように移行するかのシミュレーションを構築するためには、府省と専門分野を超えた研究組織体制の確立やプロジェクトチームが必要とされる。ヒトが被ばくにより受ける影響に取り組むためには、物質循環を扱う地球科学分野だけでなく、農学分野や放射線防護分野等とも連携した研究が求められる。しかし、現状では分野横断的連携は乏しく、特に所管府省の異なる研究機関が組織的に統括されている状況もなく、府省を超えた研究体制やプロジェクトチームも無い。

 ・ 原子力規制委員会「モニタリング調整会議」の構成員は、関係省庁の代表と福島県及び東京電力の関係者に限定されており、科学者の直接の関与がない。

 ・ 原子炉で発生した放射性物質は、放出・拡散の過程を経て「大気」ないしは「河川・湖沼・地下水」へ移行する、そして「大気」ないしは「河川・湖沼・地下水」から「陸上(都市、農地、森林)」「海洋」等へと移行・沈着する。その後も「森林」を例とすると、放射性物質は、さらに「河川」「都市」「生物圏・食料」へと移行し、最終的には、人体への被ばくにつながる。
 このような、領域間の放射性物質の移行については、後述するデータの質の問題はあるものの、……各機関により研究が開始されている。しかしながら、全ての領域をカバーする研究主体はなく、環境を通じた放射性物質の移行について、総合的な知見を取りまとめる必要がある。
 このことから、個々の領域のみを対象としたシミュレーション予測の実施のみならず、放射性物質がそれぞれの領域間をどのように移行するのか、相互作用や時間スケールを考慮したシミュレーション予測システムの構築について検討し、実測データによる検証を経て、万一の事故時の備えとしても整備しておくことが重要であろう。

 ・ 原発事故発生以来の河川を通じた放射性物質の流出量については、推計されていない。現状では、河川水の飲用による安全性を担保するための、測定下限値の比較的高いモニタリングが継続されており、ほとんどのデータが検出限界以下である。この結果は、飲料水の基準の10分の1以下という意味で安全性は示すものの、同時に、生物移行を念頭に置くと河川中の放射性物質濃度を定量的に把握するためには検出感度が不十分であることを意味している。たとえば、チェルノブイリ事故後のドイツの湖沼における調査において,水のセシウム濃度が0.01Bq/Lの状況で,肉食魚のセシウム濃度は,100Bq/kgを超える値を示している。したがって,河川水の定期的な低レベル放射線測定(0.01 Bq/L以下の河川中の濃度を定量的に把握できるような高感度測定)や出水時に一時的に大量に流出する河川からの浮遊砂を通じた放射性物質の移行量を連続的に測定することは、放射性物質の農作物への移行、水産物への移行、海洋への移行の基礎データとなるとともに、放射性物資の移行状況のモデル化を行うための基礎資料として重要である。このような水系のモニタリングは、チェルノブイリ事故後、旧ソ連でも0.001Bq/L未満の検出下限値における測定が定期的に行われ、その後のEU及びIAEAによる事故検証に際して、周辺国への放射性物質の移行状況の把握と河川環境及び水産物等への移行状況の把握に大いに貢献している。

 ・ 特に、林産物については、これまでの知見から今後放射性物質の蓄積が見込まれる。したがって、森林環境中における放射性物質の移行状況の正確なモニタリング、及びチェルノブイリ原発事故後に研究が飛躍的に進展した林産物への移行モデリングを行うことが重要であり、その上で、政府は林産物における安全な放射性物質の規制値の設定を行うべきである。

 ・ 原発周辺地域は制限区域であるため、一般の科学者等の立ち入りは禁止されている。加えて、東京電力及び行政主導によるモニタリングとデータの公開は、質・量ともに極めて限られた状況にある。東京電力及び当該所掌官庁は、科学者と充分な連携を通して、詳細なモニタリングデータの公開と対策の策定を行うべきである。

 ・ 行政・学術に対する国民の信頼を取り戻すためには、行政に専門家が協力するトップダウン的仕組みとともに、ボトムアップ的に関連専門学術団体がモニタリング調整会議に参画することによって「総合モニタリング計画」を第三者評価し、国民に開示することも必要である。

 ・ 早期帰還支援だけでなく、移住という選択も含む新生活の支援との両面での対応の必要性が認識される中、避難している住民が、放射線被ばくによるリスクだけでなく、生活・生業を営む上での得失などを考慮して、帰還するか否か等の適切な選択がなされるよう、支援することが求められる。

 
 ・ 避難が長期化せざるを得ない地域に関しては、長期避難先などでの生活拠点の整備やコミュニティの維持の必要性、長期的な将来像の提示の必要性が指摘されており、その具体化にあたって、様々な学術専門家の長期的な協力、関与が必要である。

Posted by 大沼安史 at 08:55 午前 |