〔田中宇さんの国際ニュース解説〕 ◆ 習近平の覇権戦略 / 7月15日にブラジルで開かれるBRICS(中露印伯南ア)のサミットで、各国で100億ドルずつ出し合って、IMFのライバル機関となる「BRICS開発銀行」を今年中に設立することが決まりそうだ。
★ 田中宇さんは、いわゆる北朝鮮の「拉致問題」についても、以下のような鋭い指摘をしている。
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◆ もともと拉致問題は、かつて北朝鮮問題を解決する主導役だった米国が、北が核廃棄したら日朝、南北、米朝が和解し、朝鮮戦争を正式に終わらせて在韓、在日米軍が撤退できる環境を作ろうとしたので、それをやられると対米従属できなくなる日本が、北との敵対を維持するために独自に設けた「外交防波堤」だった。
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それを崩してまで、おのれの政権維持に狂奔する安倍政権!
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★ 田中宇さんは「拉致問題」の本質を以下のように解説している。
* 日本では、この韓国の右往左往について、馬鹿にする論調で報じられる傾向が強い。もし日本が中国の覇権拡大に対抗したいなら、韓国と協調する姿勢を強め、韓国を日本の側につかせようと画策するのが得策だ。しかし日本は逆方向で、韓国を馬鹿にしたり嫌悪する姿勢を続け、国際戦略上の愚策をやっている。日本と韓国がうまく組めば、中国の覇権拡大を抑止できるのに、今の日本はそうした可能性を自ら潰している。
* もともと拉致問題は、かつて北朝鮮問題を解決する主導役だった米国が、北が核廃棄したら日朝、南北、米朝が和解し、朝鮮戦争を正式に終わらせて在韓、在日米軍が撤退できる環境を作ろうとしたので、それをやられると対米従属できなくなる日本が、北との敵対を維持するために独自に設けた「外交防波堤」だった。日本が今回と同じ条件で拉致被害者を帰国させることは、以前にも可能だったが、外交防波堤の機能があったので、日本政府は拉致問題を解決せず据え置いた。北朝鮮問題を解決する主役が米国から中国に移りつつあるので、外交防波堤として拉致問題を据えておく必要が低下し、せっかく終わるのなら拉致問題を終わりにすることを安倍政権の人気取り政策に使おうというのが今回の策だ。
Posted by 大沼安史 at 07:55 午後 | Permalink