〔いのちのフクシマ〕 ◆ <DAYS JAPAN> 最新号(8月号) 「福島の母 440人の証言」 (別冊特集) ◎ まとめ ◆ 広河隆一さん 「今回の福島の母親たちから寄せられたアンケートを読むと、人々の不安には根拠があることがわかるだろう」
★ 事故後3年――その時点でチェルノブイリの地元でも、実は小児甲状腺がんがすでに多発してパニックになっていた。<原子力>という「悪(魔)の歴史」は、これ以上繰り返されてはならない。
★(は大沼) 広河隆一さんは、こうも書いている。
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不安を口にする人々の声は、一部の科学者や権力によって「非科学的」という言葉で消される。しかし、非科学的なのははたしてどちらだろうか。
(フクシマの)母親たちは、事故前の国際的な安全基準を守るよう求めているだけだ。「チェルノブイリでは小児甲状腺がんは事故から4~5年後に現れた」という言葉が独り歩きしている。メディアは本当にそうなのか確かめたのだろうか。
現地では、原発事故の3年目には、すでに母親や地元の医師たちは病気の多発、特に子どもの甲状腺の異変にパニックになっていた。
ウクライナの内分泌研究所の甲状腺専門家は、事故後3年目に小児甲状腺がんの多発を学会で発表した。そのとき世界各国から派遣された専門家たち(主にIAEAとICRPの学者たち)が猛烈に反発してこの報告をつぶした。小児甲状腺がん多発が明らかになっては、世界の原子力産業は困るのである。
1990年から91年にかけて、IAEAはチェルノブイリ被災地に調査団を送り込んだ。地元の医師たちは、小児甲状腺がんの多発を訴え、がんである証拠を突きつけたが、調査団はそれを認めなかった。……
そこでベラルーシの医師は、独自に海外の専門家を呼んで再検査をして、その結果をネイチャー誌に発表した。IAEAとWHOは多発を認めざるを得なかった。
調査団によって、住民の病気は「放射能恐怖症」と名付けられた。「事故に起因する病気は発生していないが、放射能が怖いと思う精神的なストレスで病気になっている」というのである。
チェルノブイリでは、人々の不安は封じ込められ、ほとんどの病気は放射能との因果関係がないとされた。この路線は福島でも受け継がれた。……
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歴史は前進しなければなならない。繰り返してはならない。
繰り返さない手掛かりを――足場を、わたしたちに与えてくれるもの、それが広河さんら<DAYS JAPAN>の、この「福島の母 440人の声」である。
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※ 主な回答、次の通り。 ↓
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① 子どもたちは事故後1週間をどうすごした?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-a8b2.html
② ただちに影響はない」「100mSvまでは安全」について
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/msv-424d.html
③ 子どもの健康について不安なことは?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-752c.html
④ 子どもの食べ物で不安なことは?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-5953.html
⑤ 子どもの生活環境で不安なことは?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-9b3b.html
⑥ 除染は満足におこなわれていると思いますか?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-f7c3.html
⑦ ひたち海浜公園で毎時0.23マイクロシーベルト以上 一部立ち入り禁止に。これに対して福島県では同線量以上の場所で人々が生活。政府は除染目標になっているこの数字さえ引き上げようとしている。どう思いますか?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-abee.html
⑧ 子どものために必要な制度は?
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-3e95.html
⑨ その他事故後の対応に対する意見
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/07/post-b123.html
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★は大沼 ◎ 母親たちの証言 : 2014年8月号(7月19日発売号)
⇒ http://www.daysjapan.net/bn/1408.html
Posted by 大沼安史 at 09:23 午前 | Permalink