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2014-03-21

〔あじさいコラム〕 安倍氏よ、ハーグ核安保サミットで、脱原発・平和へ、Uターンせよ!

 「核テロ防止」をテーマに24、25日の両日、オランダ・ハーグで開催される「核安全保障サミット」で、安倍首相が、<使用済み核燃料から取り出した核物質プルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」の推進を表明する>――のだそうだ。

 <核燃料サイクルを「推進する」と明記した政府のエネルギー基本計画案に対しては、与党内で反対論が根強く、まだ閣議決定がされていない>――にもかかわらず、表明するのだそうだ。

 プルトニウムの「生産・再利用」を、「核安保サミット」の場で表明するのだそうだ。

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 東京新聞の記事を読んで、唖然とした人は多いはずだ。

 「首相」が「政府・与党の意思決定前に」、この国の未来にかかわる重大方針を表明するという、手続きもなにもを無視した“暴走ぶり”もさることながら…………、

 米国をはじめとする国際社会が、日本のプルトニウム備蓄に疑惑を持ち、防護・管理態勢のお寒さを懸念していているその時に――しかも、「プルトニウム核テロ」防止をテーマとする「核安保サミット」の場において、「核燃サイクル」でプルトニウムの生産・再利用の続行を宣言する――というのだから、その、あまりの「臆面のなさ」に愕然とした人は多いはずだ。

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 「一国の総理」としてなすべき「表明」を、CM文法+霞が関語法による「PRプレゼン」と勘違いしてきた安倍氏のことだから、このままではオランダのハーグでも、「日本のプルトニウムはアンダーコントロール」と、きっと見得を切るに違いない。

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 わたしが東京新聞の記事を読んで、呆然かつ愕然とした底には、安倍氏はもしかしたら、側近や周囲の利害関係者から「核物質管理・安全神話」を吹き込まれ、すっかり、その気になっているのではないか、という懸念がある。

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 たとえば、六ヶ所村の核施設。

 日本原燃の広報部長の吉田薫氏は、米NBC放送の「3・11 3周年」取材に対して、こう言明している。(記事原文は ⇒ こちら

 「われわれは100%、保証できます。ここで働く作業員がプルトニムを盗み出すことはありえません」
 「(ここの)プルトニムはウラニウムとミックスしているので……ここにはプルトニウム自体はないわけです。ここにプルトニウムは存在しません!」
 〔Kaoru〕Yoshida said there was no chance that workers at the Rokkasho plant would try to pilfer any plutonium. “We think we have a 100 percent guarantee that the people working here would not do that,” he said.
He also questioned why terrorists would target the plant, because, he said, Rokkasho’s mixture of plutonium and waste uranium can’t be used to make a bomb. “Because the plutonium is mixed already with uranium, because of the security level that we have here, we don’t have plutonium itself,” he said. “It doesn’t exist here.”

 六ヶ所にはテロリストがほしがるプルトニウムそのものがない、あるのはウラニウムとの混合物だけだから、絶対、安全である……吉田薫広報部長は、かくもキッパリと言明したのである。

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 この「吉田薫」広報部長とは、あの「想定外」の「フクイチ原発核惨事」を引き起こした東電の元広報部長ご本人であり、事故直後、メディア対応を指揮した人だから、ご記憶の方も多いと思うが、それはともかく、日本原燃のこうした「安全宣言」を――たとえば、安倍首相は真に受けても…………、NBCや米国の当局者は、広報マンの宣伝を鵜呑みにするほど、お人よしではないのである。

 NBCの上記記事は、吉田広報部長の「安全宣言」を引き出したあと、こうカウンターパンチをくらわせる。

 「しかし、独立した専門家たちは、核物質を2つ(ウラニウムとプルトニウムを)混ぜたところで、プルトニウム酸化物の核爆弾の材料となりうる力は何ら減るものではない」
 But independent experts say mixing the two nuclear materials does little to reduce the plutonium oxide’s potential to become a bomb fuel.

 トドメは、こうだ。

 「NRC(米原子力規制委)の元高官、〔ポール〕ディックマンは、言った。ウラニウム・プルニウム酸化物と、純粋な鉱物状態のプルトニウムの間にある違いは、そこに<化学者>がいるか、いないか、だけだ。混合物からプルトニウムを取り出すのは難しいことではない」
 Dickman, the former NRC official, said the only difference between uranium-plutonium oxide and the pure metallic plutonium preferred by bomb-builders “is a chemist.” Extracting the plutonium from the mixture would not be difficult, he said.

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 ディックマン氏は、共和党のブッシュ政権で、NRCの事務局長を務めた人物。

 自民党のタカ派がお嫌いな(?)民主党に近い人物が発言していることではないことも、安倍首相は知らねばならない。

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 デッックマン氏のいう、ウラニウム・プルニウム酸化物とは「MOX燃料」を指すわけだから、このNBC放送の記事は、核燃料の再処理にも警告の黒旗を掲げ、安倍首相が「ハーグ核安保サミット」で表明しようとする「核燃サイクル」の続行に「待った」をかける趣旨のものに違いない。

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 重ねていうが、こういう米当局の「本音」を、安倍首相は知らされているのだろうか?

 側近や周辺の関係者は、たとえば、この――米当局の考えを代弁しているような、米最有力テレビ局、NBC放送の警鐘報道の中身を、安倍首相に正確に伝えているのだろうか?

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 いまからでも遅くはない。

 安倍首相は考え直すべきだ。

 「ハーグ核安保サミット」で、核燃サイクル続行を表明してはならない。

 表明すれば、日本の核兵器開発をめぐる国際社会の疑惑は再燃し、安倍政権はますます孤立化の道を歩むことになるだろう。

 核燃サイクル再開で原発を再稼働させれば、日本列島を舞台とした核テロの脅威はますます増大し、国際的な懸念の高まりの中、東京オリンピックのボイコット問題さえ起こりかねない。

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 安倍政権がいま目指すべきは、「フクイチ・アンダーコントロール」への総力をあげた取り組みである。

 汚染水対策ひとつ、まともにできていないのに、「核燃サイクル」続行を言いだすとは……。

 これはもう――非常識きわまりない、と言うしかない。

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 「核テロ」の脅威をなめてはいけないと思うので、蛇足ながら一言、付け加えれば、上記、NBCの調査報道によると、第1次安倍政権終了半年前の2007年3月、米国のシェーファー駐日大使から日本政府に対し、こんな驚愕の通報があった。

 米国が逮捕したテロリストのハリド・シーク・モハマド容疑者が、成田空港で航空機を乗っ取り、東京の米国大使館に突っ込む計画を練り、ハイジャック実行犯をリクルートしていた事実が、同容疑者の自白で明らかになったという。
 Terrorist Khalid Sheikh Mohammed, who was captured in May 2003, told interrogators that he had tried to recruit hijackers to seize an airliner at Tokyo’s Narita airport and crash it into the U.S. Embassy in the center of the crowded city. Because of restrictions on sharing classified information with Japan, Schieffer said, he wasn’t able to tell Japanese officials that Tokyo had been a target of Al Qaeda for years, until Mohammed’s confession became public in March 2007.
 “It upset the Japanese greatly when they found out about it,” he said.

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 NBCが「核テロ」を懸念する上記記事の中に、なぜ、この「事実」を入れ込んで報道したかというと、それは今後も、イスラム過激派によって、同じような「想定外」のテロが実行に移されると懸念しているからに違いない。

 まして日本がこんご「集団的自衛権」を発動し、アフガンや中東方面で米軍とともに実戦に参加するようになれば、イスラム過激派による日本をターゲットとした「核テロ」の可能性は、強まる。

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 だから――だからこそ、日本は「集団的自衛権」を持ってはならないし、「核テロ」のターゲットとなりうるものを、この日本列島から、それこそ一掃しなければならない。

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 もういちど言おう。

 安倍首相は考え直すべきだ。

 「ハーグ核安保サミット」で、核燃サイクル続行を「表明」してはならない。

 安倍首相はハーグを、戦争とテロ惨事への岐路とするのではなく、脱原発と平和へのUターンの場所とすべきである。

Posted by 大沼安史 at 02:26 午後 3.コラム机の上の空 |

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