〔あじさいコラム〕 「北」の「ノドン」ミサイル発射は、日本への「脱原発めざましコール」でもある!
北朝鮮が26日未明、ハーグでの「核安保サミット」に狙いをつけ、中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられるミサイルを2発、日本海へ発射した。
韓国の合同参謀本部によると、ミサイルは26日午前2時半(日本時間同)すぎに、2発発射され、650キロほど飛んで、日本海の公海上に落下した。 (⇒ こちら)
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北朝鮮はなぜ、発射したのか?
北朝鮮に言わせれば、もちろん、「自衛」のための示威。
BBCによれば、米韓両軍の、北朝鮮侵攻準備のための合同軍事演習に対する、牽制のミサイル発射であると、ピョンヤンは言っている。
Pyongyang says its rocket tests are self-defence exercises and says the military drills by Washington and Seoul are invasion preparations.
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「米・韓」の侵攻を阻む、「自衛」のためのミサイルを、北朝鮮はなぜ、ハーグでの日韓米首脳会談に合わせ、日本海に向けて発射したのか?
日本海に向けて発射するとは、とりもなおさず、それは「日本」に向け、日本列島に向かって発射する――ことだが、なぜ北朝鮮は、その方向に、本来、最大射程(1300キロ)を半減させ、連射してみせたか?
それは当然ながら、北朝鮮としては、「日本」へ向け、ミサイルを発射することが、そのまま「米韓の侵攻を防ぐ」自衛的な威嚇行為になると考えているからである。
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それでは、「日本」へ向け、ミサイルを発射することが、北朝鮮にとって、なぜ、自衛のための威嚇になるのか?
これまた答えはかんたん――日本列島の、たとえば下北に……あるいは敦賀湾に……またはフクイチに通常弾頭のミサイルを撃ち込みさえすれば、「日本列島」は「核のインフェルノ」と化し、そこから放出される膨大な放射能がプルームとなって偏西風に乗り、米国を襲い続けるからである。
そのことを、北朝鮮は分かっているから、核安保サミットでの、安倍首相の首脳会議登場に合わせ、「東」の方角へ、「ノドン」を連発してみせたのだ。
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北朝鮮はすでに1988年、「テポドン」を米軍の三沢基地(下北の至近)の近隣海面を狙って見事に着弾させ、米国を慌てさせたことがある。(これについては、⇒ こちらを参照)
それほど、北のミサイルの精度は高い。
日本列島の核基地は、北のミサイルの格好の標的であり、通常弾頭ミサイルを撃ち込みさえすれば、日本を亡ぼすことができるばかりか、米国を「放射能プルーム」で連続攻撃できる。
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フクイチの核惨事はつまり、そうした最悪シナリオ(最大の武器)を北朝鮮に教え、北朝鮮に自衛のための、決定的な――ハルマゲドン的な――切り札を与えてしまったわけだ。
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こういう現実認識からすると、わたしたち日本がこんごとるべき道筋は、ひとつしかない。
つまり、脱原発による列島の非核化。
こうするしか、もはや、ほかに、やりようがないのだ。
北朝鮮の「自衛のためのミサイル発射」という「脅迫」を無化するためには。
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わたしたち日本の、自衛の道は――そして生き残りのための唯一の道は、極東の軍事的な構図の中で見てみても、
いまや「脱原発」、あるのみ!
…………それしかないのである。
原発・核施設という「自爆=自滅」原因を除去することでしか、わたしたちの希望の道筋は切り拓き得ない。
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その意味で、ハーグ核安保サミットに合わせた、北朝鮮のミサイル発射は、わたしたち、日本のための、「脱原発めざましコール」でもある。
めざめの時は、すでに、来ている!
Posted by 大沼安史 at 12:11 午後 | Permalink