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2013-12-01

〔コラム 机の上の空〕 究極の悪をただす、祈りのコモンセンス

 京都の四条大橋のたもとで、辻立ちを続け、「特定秘密保護法」反対を訴えている僧侶がいる。

 浄土宗西山禅林寺派の専修寺(京都市左京区)の岸野亮哉(りょうさい)副住職だ。

 (11月)23日からほぼ連日、大声で法案の危険性を説く。「この法案が成立すれば、世の中の言論が萎縮してしまい、個人の自由な表現活動に支障が出るだろう。国による情報管理は戦争体制の始まりだ。かつて戦争に協力した仏教界の過ちを二度と繰り返してはいけない」

 枯れた声を振り絞る。「廃案にするまであきらめない」

 ◎ 毎日新聞 11月29日付け(大阪夕刊)
 ⇒ http://mainichi.jp/area/news/20131129ddf001010006000c.html

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           ↓

 安倍政権が闇雲に進める「特定秘密保護法」に対し、宗教者からも一斉に、「反対」の声があがり出した。

 11月26日、衆院議員会館前での、宗派者アピール緊急集会で、「悪多けれども一善に勝つことなし」と、きっぱり語ったのは、日本山妙法寺の木津博充上人である。

 「カトリック新聞オンライン」が、報じた。
 ◎ ⇒ http://www.cathoshin.com/2013/11/27/131126-actions/

 仏教もキリスト教も、多くの教団が、宗派の別なく、「反対」の声を合わせている。
 
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  プロテスタントの「日本キリスト教協議会」は、次のような反対声明を発表した。

       私たちは特定秘密保護法案に反対します

 私たち日本キリスト教協議会は、今国会で審議されている特定秘密保護法案に反対します。特定秘密保護法案は主権者である国民の知る権利を奪い、特定の秘密に近づこうとするものとみなされただけで処罰され、国民の自由な思想活動・宗教活動を著しく統制する悪法です。

 私たちは、この法案の制定により日本が再び「戦争する国」になっていくことを深く憂い、ここに強く反対の意を表明します。

                          2013年11月22日
                          日本キリスト教協議会常議員会 
 ◎ ⇒ http://ncc-j.org/uploads/photos/106.pdf

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 「戦争をする国」をつくる「悪法」――。

 わたしもまた、この時代にある、ひとりの日本人として、その通りだと思う。

 「悪」多かれど、ナチスもどきの――あるいは戦前の日本の治安維持法並みの、この「悪法」にまさるものない、と思う。

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 京の四条の橋のたもとに立つ、岸野亮哉・副住職は、「3・11」のあと、「岩手県陸前高田市を中心に計約40回、東北地方に足を運び、被災した高齢者らの話を聞く活動を続けて」きた人だそうだ。(前記、毎日新聞の記事より)。

 そんな慰問活動の中で岸野さんは、陸前高田の仮設住宅で、90歳のおばあさんと知り合った。

 そして、おばあさんから、太平洋戦争で戦死した、彼女の兄弟のことを聞く。

 記事は、こう続く。

 岸野さんは後日、図書館で市史を繰り、戦没者名簿のコピーをとって女性に渡した。老眼鏡もかけずに小さい字を目で追った女性は、兄弟の名前を確認した後「あ、この人は隣に住んでた」と次々に戦死者の名前を思い出した。最後に、女性はA4判のコピーを胸に抱き、涙を目にためて「ありがとうございます」と礼を言った。……

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 90歳の老女は、戦争という大津波に襲われながら、戦後を生き抜いてきたのだ。

 そんな仮設住宅の高齢被災者の上にも、ふたたび襲いかかろうとする、安倍政権主導の、黒々とした時代の大波。

 しかし、それは、不可抗力の、大地震による、大津波ではない。

 あくまでも、意図的なもの。人工地震による、人工の――「やりたい人がさせたがる」、政治的な大津波である。

 天災以上に凶悪な人災。

 「悪」多かれど、「戦争」にまさる「悪」はない。

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 そんな戦争準備法である「特定秘密保護法」案に、どう立ち向かうべきか?

 それは、少なくともたぶん、わたしたちもまた、宗教者たちにならって、この「悪法」を葬り去るべく、その一点で心を合わせ、ともに「反対」を祈念することであろう。

 街頭に立ち、デモに参加できない人でも、それこそ心を込めて…………一心に、持てる思いを注ぎ込んで、「反対」を祈念することはできる。

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 希代の悪法――「特定秘密保護法」反対に、こぞって宗教者が立ちあがっているのは、それがわたしたちの、いのちに対する、究極の悪であるからだ。

 わたしたちのいのちを――たましいを殺そうとする、究極の邪悪であるからだ。

 そんな巨大な悪と闘うために、わたしたちに、できることはあるのか?

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 日本の禅も学んだ、カトリック・ベネディクト派のブラザーであるデイビッド・スタインドル・ラストさんは、スピリチュアリティーこそ、わたしたちのコモンセンスである、と言った。

 わたしたちのソウル(いのち)は、ひとつのスピリットで、つながりあっている、と。

 ◎ ウィキ ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/David_Steindl-Rast

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 なるほど、そうである。

 だから――――事情があって街頭に立つことのできない、わたしたちにも、(出発点として)できることは、あるのだ。

 わたしたちにも、祈る、ことは、できる。

 祈りを集中させることはできる。

 国会内で、あるいは新聞社の編集局で、さらには集会の場で、それぞれの仕方で、懸命に闘う人たちに向かって、祈りを送ることはできる。

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 平和と民主主義を守り抜く、コモンセンスとしての祈り。

 新たな出発点としての、コモンセンスの祈り。

 その祈りのなかには、きっと、あの、90歳の老女の、陸前高田の仮設住宅にすまう、戦死した兄弟たちのスピリット(霊魂)の祈りも、加わっているに違いない。

Posted by 大沼安史 at 09:20 午後 |

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