« 〔フクイチ4号機〕 ロイターが全世界警告報道 4号機プールの核燃 「取り出しの緊急性は、歪み、傾き、次ぎの地震で崩壊しかねない建屋の、地上18メートルのところにあるからだ」 | トップページ | 〔いのちのフクシマ NEWS〕 福島県 子どもの甲状腺追加検査 受け付けない病院が多数〈AERA〉:「実際、県民が追加検査を望んでも、受け付けない病院がほとんど。甲状腺検査ができる郡山市近辺の10以上の病院へ問い合わせたが、受け付けると答えた病院はなかった」 »

2013-11-14

〔コラム 机の上の空〕 宇井純さんの「計算式」にしたがえば……

 福島県の「県民健康管理調査検討委員会」は12日、フクイチ事故当時、18歳以下だった、「甲状腺がん」の「確定」が8人増え、26人になったと発表した。「がんの疑い」は7人増えて、32人。
 確定と疑いを合わせると、58人になる。

 *福島民報 ⇒ http://www.minpo.jp/news/detail/2013111312087

      #

  福島民報によると、星北斗座長(県医師会常任理事)は会議後の記者会見で「現時点で原発事故による放射線の影響で明らかに増えているとは考えられない」との見解をあらためて示した――そうだ。

 「現時点」では……「考えられない」。

 「原発事故による放射線の影響」でなければ、何の影響なのか?

      #

 この「調査検討」結果をきいて、この国の「公害」の理不尽さと闘い続けた、故・宇井純さん(元東大助手・沖縄大学教授)の、こんな指摘を思い出した。

 「公害問題で公表された数字と実態のあいだには、だいたい二ケタの違い」がある。(1977年の講演「環境汚染と私」より)

      #

 つまり、宇井さんの計算式は、

   被害の実数=当局公表×100

 フクイチはおそらく日本史上、あるいは世界的にも史上最悪の「公害」であるわけだから、この宇井さんの「二桁の違い」を、上記、58人に重ね合わせると、疑いを含め、甲状腺がんに苦しむ、福島の子どもたちの数は、数千人規模(5800人前後)に達していることになる。

      #

 なぜ、二桁も違うのか?

 理由は、言うまでもなかろう。

 宇井さんと、福島県庁の委員会のどちらを信ずるべきか、これまた言をまたない。

      #

 宇井さんはまた、「公害に専門家というものはない」とも語っている。(同じ講演の中で)

 これがどういう意味かというと、公害をほんとうに自らのいのちの、人生の問題として語れるのは、識者とか学者とか医者とかではなく、被害を受け、その苦しみを引き受けることになった、当事者だけである、ということだ。

 「専門家」と称する者たちは、被害の当事者ではなく、苦しみを語れるのは――ほんとうの「専門家」は――、あくまでの被害の当事者である。

      #

 甲状腺がんだけで数千人。

 ならば、ほかの癌発症者はどのくらいの数に上っているのだろう。

 「チェルノブイリ」の経験からすると、白血病など、フクシマの健康被害のピークは「2016年」にやってくる。

      #

 今回、福島県当局が「公表」した「58人」の年齢別内訳は(検査時点で)8歳、11歳が1人ずつ、残りは13~21歳。

 彼ら・彼女ら自身、甲状腺がんと被曝の関連をどう思っているか、そこにフクシマ核惨事という空前の公害被害の真実がある。

 彼ら・彼女らの「声」までも、封じ込めてはならない。

Posted by 大沼安史 at 09:46 午後 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔コラム 机の上の空〕 宇井純さんの「計算式」にしたがえば……: