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2013-11-01

〔コラム 机の上の空〕 田中正造の「奉文」と、山本太郎さんの「手紙」

  参院議員の山本太郎さん(無所属)が(10月)31日、秋の園遊会で、天皇陛下に「手紙」を手渡した。

 朝日新聞によると、そのときの模様はこうだった。

 陛下に園遊会で原発事故の現状を訴えた後、「手紙を読んでいただけますか」と直接手渡した。陛下から言葉はなく、手紙をそばにいた侍従長に預けたという。
 ⇒ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131101-00000003-asahik-soci

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 「陛下から言葉はなく、手紙をそばにいた侍従長に預けた」

 そう書かれている以上、山本議員にはほんとうに、「陛下からのお言葉はなかった」ものとばかり思っていた。

 手渡されたものを無言で受け取り、そのまま侍従長に預けた、と。

 まるで、いつもの天皇陛下ではない、そっけなささえ感じさせる、記事の書きようだった。

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 やはり、そうではなかった――フランスの電子メディアで、日本の民放テレビのニュース映像を見たら、陛下が山本議員となにやら言葉を交わしている姿が映っていた。

 読唇術を使えば、陛下が何とおっしゃったか、はっきりわかる(ような)映像だった。
 ⇒ http://www.courrierinternational.com/article/2013/10/31/lettre-a-l-empereur-au-sujet-de-fukushima

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 陛下の言葉は、あったのだ。

 そうですか、とか、あとで読ませていただきますね、とか。

 日本のマスコミは、なぜ、それを報じないのだろう。

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 もうひとつ不思議なのは、山本太郎さんの手紙の内容が、明らかにされてないことだ。

 山本さんは国会議員として園遊会に呼ばれ、国会議員として陛下に手紙を渡したのだから、私信ではない以上、一刻も――一日も早く、内容を公表すべきである。

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 今回のフクシマ放射能鉱毒事件にいたる日本の公害の原点にあるのは、足尾鉱毒の悲劇である。

 義人・田中正造は、その悲惨を訴えるため、明治天皇に直訴を企てた。

 明治34年(1901年)12月10日午前11時20分ごろ、衆議院議長官舎前の大通りでのこと。

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   黒木綿の綿入れに大きな五ツ紋の黒羽織黒袴足袋跣足で、人々があっと思うまに二三歩進み出て、

   「お願いがございます」

   懐からとりだした紙包を右手に高く捧げ、同じ叫びを三声四声必死にくりかえしつつ、御馬車の方を目ざして近づこうとした。いうまでもなく田中正造その人であった。……

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 上記は、大鹿卓著『新版 渡良瀬川 田中正造伝』(新泉社)からの引用(323頁)だが、田中正造が直接、手渡し、かなわなかった直訴状(奉状)の全文は――そう、直訴の全文は、なんと翌朝の新聞に掲載されていた!
(当時の新聞は、ちゃんと全文を掲載していた!)

 (「全文」はいま、ネットで読むことができる。 ⇒ http://www8.plala.or.jp/kawakiyo/kiyo40_38_02.html )

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 山本太郎議員の手紙には、フクシマにおける被曝問題などが、どのように書かれていたのだろう。

 田中正造の奉文のように、

   激甚ノ毒土ヲ除去スル

   加毒ノ鉱業ヲ止メ毒水毒屑ノ流出ヲ根絶スル

 など、被災者をなおざりにするばかりの、時の政府に対する、怒りの提言が含まれていたのだろうか?

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 わたしは山本太郎議員には、手紙の内容を速やかに公表する、政治家としての義務がある、と思う。

(いまのところ、公式ブログや公式サイトには、出ていない。
   ⇒ http://taro-yamamoto.jp/
     http://ameblo.jp/yamamototaro1124/ )

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 田中正造は、奉文の中で、まるでフクイチの汚染水問題を予見し、警告するかのように、こう書いても、いた。

   若(も)シ然(しか)ラズシテ長ク毒水ノ横流ニ任セバ、臣ハ恐ル、其禍ノ及ブ所将(ま)サニ測ル可(べか)ラザルモノアランコトヲ。

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 フクイチは、足尾鉱毒事件の田中正造さえ、青ざめるであろう、放射能鉱毒による、核の大惨事である。

        ◎

☆ 参考 英国王室は、そのホームページで、エリザベス女王への手紙の書き方を人々に知らせている。

 ⇒ http://www.royal.gov.uk/HMTheQueen/ContactTheQueen/Overview.aspx

Posted by 大沼安史 at 09:35 午後 |

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