〔コラム 机の上の空〕 進化の速さ と 火の強さ に関する覚書
今朝、米国のジャーナリスト、クリス・ヘッジさんの記事――「わたしたちの目に見えない革命(Our Invicible Revolution)」* ――を読んで、多くのことを考えさせられた。
( * ) ⇒ http://www.truthdig.com/report/item/the_cancer_of_occupy_20120206
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ここでいう「目に見えない」とは、「存在しない」ということではなく、逆に――現在進行中の、「いま、進んでいる」プロセスを意味する。
そんな「革命」が、いま、アメリカで、たとえ目に見えずとも、目に見えない形で、着実に進行中である、とヘッジさんは言う。
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愚劣な監視国家になり下がり、人々の基本的な自由をまる裸にして奪い取ってしまったアメリカ!
そこでは、国家権力による、一見意味がなさそうな、ささいな不正義が、民衆の怒りに火をつけ、反乱を呼び覚ますであろう――とも。
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その記事を読んで、そこに紹介されていた、米国の思想家・運動家、アレックス・バークマン*の、以下の一言を知って、とくに考えさせられた。
(やがて)進化は(一気に加速し)革命に変わる。
“Evolution becomes revolution.”
( * ) ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3
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この言葉――「進化は革命になる」に、「目に見えない革命」を重ね合わせれば、「進化」とは、「革命」のプロセスのうちの、目に見えない部分を指すものだ、とも言えるだろう。
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わたしたちの日本で現在、進行しているもの――それもまた、やがて「革命」に到る、目に見えない(見えにくい)革命の前期、すなわち「進化」である。
それは、あの川崎市長選の結果、ひとつとっても見ても分かる。
あれは、「進化」の過程で、自然に起きた「川崎革命」であった*!
( * ) ⇒ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131028-00000029-kana-l14
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この日本でも、目に見えない形で、「進化」は着実に進んでいたのである。
(すくなくともわたしには、ちょっと)意外な速さで。
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クリス・ヘッジさんは記事の中で、こんなバークマンの言葉も、引用していた。
薬缶のお湯を沸騰させるのは、その下で燃える火である。沸騰する速さを決めるのは、火の強さである。
“It is the fire underneath that makes it boil: how quickly it will come to the boiling point will depend on how strong the fire is.”
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わたしたち、日本の民衆を日々、焼き焦がし、あぶっている火の強さもまた半端なものではない。
「三本の矢」などという「火矢(箭)」に射抜かれたあげくに、消費増税などという「仕上げの強火」が目の前に迫っている。
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国民生活を黒焦げにした政治の無能と無責任は、この国においても、「進化」の速度を今後ますます、はやめるに違いない。
Posted by 大沼安史 at 02:05 午後 | Permalink