◎ 東京新聞はこう報じている。
東京電力福島第一原発事故で避難するなど被害を受けた東京、千葉、福島の被災者が、東日本大震災から二年を迎える三月十一日に、国と東電を相手に損害賠償を求める集団訴訟をそれぞれ各地裁に起こすことが七日、関係する弁護団への取材で分かった。弁護団によると、原発事故で国を相手に集団訴訟を起こすのは初めてとみられる。
福島原発被害首都圏弁護団や原発被害救済千葉県弁護団によると、福島県から都内に避難してきた住民は東京地裁に、千葉県内に避難してきた住民は千葉地裁に提訴する方針。このほか別の弁護団が担当して、福島地裁と同地裁いわき支部にそれぞれ提訴するという。
福島県から千葉県内に避難して、生活を続ける被災者は約三千人に上る。
千葉の弁護団が訴訟準備のために一月に開いた説明会には数十人が参加し、少なくとも十数世帯が原告に加わる意思を示しているという。
賠償額は算定中だが、一人当たり一千万円を超える可能性が高い。
都内への避難者は少なくとも五世帯が提訴する見込みで、さらに増える可能性があるという。
千葉の弁護団は、国を訴訟相手に含める理由について「国が過去に必要な規制をしていれば、事故はある程度防げた。国の責任を明らかにしたい」と説明。その上で「原発事業は国策民営の関係で、民法上の共同不法行為にあたる」と主張している。
原発事故をめぐっては、避難生活を強いられている被災者が各地で、東電に慰謝料などを求める訴訟を起こしている。
<共同不法行為> 複数の加害者が共同して不法行為を行い、他人に損害を与えること。民法719条では、共同不法行為が成立した場合、加害者たちは連帯して損害を賠償する責任を負うと規定されている。不法行為をそそのかした者や、手助けした者も損害賠償責任を負う。