〔新刊NEWS〕 小笠原信之著、『「北方領土問題」読本』(緑風出版)/◇(大沼) ことし、2013年、「北の島々」の返還に、たぶん、メドが立つ! 潜在的な「地球環境壊滅・人類絶滅要因」である「フクイチ核惨事」で、いまや「崩壊=ブラックホール化」の瀬戸際に立つ「日本(経済)」を、なんとしても持たせ、廃炉処理を進めるためにも、ロシア・極東シベリア開発をテコとした経済復興は不可欠だ!
わが畏友、小笠原信之、最後の著書、『「北方領土問題」読本』が、緑風出版から刊行された。
→ http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1220-2n.html
わたし(大沼)も「編者」として、編集に携わった。
そんな立場で、一言、言わせていただければ、さすが、小笠原信之! 実にわかりやすく、ポイントを押さえて書いている。
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ところでわたし(大沼)は、2013年のことし、いわゆる「北方4島」のうちの少なくとも「2島(歯舞・色丹)」がロシアから返還される(返還の道筋が決まる)可能性が高いと考えている。
ロシア側に、日本の協力で、シベリア・極東開発を進めたい動機があるのも、その大きな理由だが、それ以外にも、少なくとも以下のような、2つの動因がある。
ひとつは、日本側が「4島(国後・択捉を含む)」の「一括・即時・全面返還」を引っ込めざるを得ない立場に追い込まれていること。
(① フクイチ核惨事による国力の急激な低下。② サハリンの天然ガスを、あらたなエネルギー源として、資源安全保障をはかるほかないこと)
もうひとつは、「フクイチ核惨事」で「崩壊スパイラル=ブラックホール化」のトバ口に立たされた「日本経済」を(なんとしても)持たせるために(太平洋戦争の戦費もかすむことになりそうなフクイチ対策費を確保するために)――日本列島が(フクイチ発の誘爆の連鎖で)「核活火山列島」になり、「地球被曝源=人類絶滅要因」となるのを何としても防ぐために――、「米国としても、もはや(「サンフランシスコ体制」の変更に)同意せざるを得ない」という点。
(米国はアフガン兵站ルート確保のために、ロシアの協力を必要としていることも大きい。この点については、上記『読本』を参照。ただし、米軍のアフガン撤退は「2014年」に設定されているので、日本側に残された時間は、そう多くない……!?)
つまり「フクイチ」は、「日本」に「北方領土」問題の解決と「合わせ技」で、「シベリア・極東開発」という「ロシア・カード」を切らせようとしている! それも、米国の同意つきの!
念のために、もう一度、言おう! もはや米国には「2島返還」をつぶした「ダレスの恫喝」を繰り返す必要はない。
日露の接近をつぶして、日本経済の復興の芽を摘めば、日本の国力の疲弊と消尽の結果として生まれる「フクイチの核の地獄化」が引き鉄となって、日本列島は「核火山列島」と化し、噴き上げる放射能雲によって、人類が滅亡の危機にひんするのは、すでに明らかなこと。
逆説的な言い方になるが、日本は「フクイチ」によって、いま日本の持てる力を相手と分け合うかたちで、「国際社会」から支援を受け得る「再生カード」を手にしたわけである。
この国(日本)の亡国の危機と、人類滅亡の危機がかかっているのだから、もはや躊躇している場合ではない。
どんな国とも協調して、謙虚に、生きのびる! このことに、もう、何の躊躇も、遠慮も、いらない! 日本がこんご生きのびることは、日本だけでなく、人類存続の絶対条件になってしまったわけだから!
(つまり安倍政権は、「フクイチ」で、「(史上空前の)ある意味で《無敵の外交カード》」を持ったことを、自覚しなければならないのだ。畏れと、「フクイチ」という罪の自覚とともに! 謙虚さを忘れ、「死の灰」とともに「たなぼた」で手にしたこのカードを「逆手」に使ったとき、どうなるかは……すでにご存知のことだろう! 政権はそのとき、国際社会なるものの恐ろしさに震え上がることなろう! いや、震え上がるひまもないかもしれない……)
(ひとつ付け加えれば、安倍政権の、フクイチ対策と正面から向き合わない、「歴史修正」の火遊びに対して、米国から明確なNOの意思表示が出ていることは、忘れてはならないことだ。菅・野田民主党政権の先送り・隠蔽・矮小策はもはや通用しない。フクイチは世界安全保障の最大・最悪の問題になっている! これと真正面から向き合わない政権を、米国は――そして国際社会は、決して許さないだろう! ◎ 参考 〔フクシマ・ノート〕 安倍政権の課題は脱原発・廃炉のための日本経済の体力維持だ! 4号機核燃プールの保全などフクイチ事故対策に全力を挙げ、米国・近隣諸国・国際社会の信頼を獲得せよ! 歴史の「修正」にかまけている場合ではない!
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2013/01/post-7502.html )
(さらに言えば、日本の政権がこの外交カードの死活的に重大な意味を、国際社会に認識させるためにも、国連などの独立した専門家チームによるフクイチ査察、日本の被曝実態の検証が不可欠なものになるのだ。被曝地のわれわれが身をもって支払い、こんども払い続ける犠牲の大きさと、日本崩壊=世界被曝で予想される被害と犠牲の、桁はずれの甚大さ――を確認するためにも!)
森元首相のロシア訪問にも期待したい!
◇ 参考 東京新聞(10日付け)「森元首相、3島返還も選択肢 北方領土で」
→ http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013010901001813.html
東京新聞はこう報じている。
森喜朗元首相は9日夜のBSフジ番組で、北方領土問題に関し、択捉島を除いた国後島、歯舞群島、色丹島の「3島返還」で決着を図ることも選択肢との認識を示した。「単純に線を引くなら、こうすれば一番いい」と述べ、司会者が示した地図に示す形で言及した。
森氏は、ロシアのプーチン大統領が昨年3月に表明した「引き分け」による決着について、2月に会談する際に真意を聞く意向を表明。平和条約締結後の歯舞群島、色丹島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言の有効性を確認した2001年の「イルクーツク声明」に沿って交渉すべきだと強調した。
Posted by 大沼安史 at 11:53 午前 | Permalink