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2012-06-09

〔国会事故調〕東京新聞 社説:「小手先の総括はだめだ」/事故から一年以上たった今も、事実が明らかになっていないのは異常である。歴史的な大事故をどう総括し、教訓として何を生み出すのか。今月中にまとめる報告書が、小手先の総括で済まされることは許されない。

 → http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060902000147.html

 これで国民が納得するだろうか。国会の事故調査委員会が原発事故当時の東京電力社長、清水正孝氏を参考人聴取した。自己弁護のような受け答えに終始し、事故の総括ができるのか大いに疑問だ。

 清水氏の聴取で最大の焦点となったのは、原発事故直後に作業員を「全面撤退」させる意向があったかどうかだ。「全面撤退」とは事故が手に負えなくなり、現場を放棄することだ。それは制御できない原発を有する資格はないのではとの根源的問題に帰着する。

 これまでの聴取では当時の菅直人首相や枝野幸男官房長官ら政権の中枢にいた人物は、東電の全面撤退の意向を感じたと明確に答えた。しかし、東電の勝俣恒久会長は「検討したこともない。一部の作業員を除いて避難する意味だった」と食い違っていた。清水氏も「撤退という言葉は言っていない」と強弁し、「全員を引き揚げる考えはなかった」と述べ、水掛け論に終わった。

 なぜ、こんな不毛な事態になったのか。清水氏は事故当時、官邸に対して不可解なほど何度も電話をかけたほか、官房長官らに「何人の作業員を残す」といった具体的なことも一切伝えなかった。そもそも原子力災害対策特別措置法では事業者から政府への連絡窓口は原子力安全・保安院と取り決めてある。清水社長が直接、官邸に電話してくる事態であれば、全面撤退と受け取るのは自然である。

 国会事故調は「東電幹部と官邸との相互の不信感が背景にあるのではないか」と断じた。事故解明には、国と東電の危機管理のあり方とともに、実際に事故が起きた時の対応をつまびらかにする必要がある。清水氏は肝心の政府とのやりとりについては「記憶があいまい」とかわし、洗いざらいに明かそうとする姿勢が欠けていた。

 今も被災地の十六万人が故郷を離れて暮らしている。国も東電も責任のなすり付け合いばかりなのは背徳行為ではないか。

 これで国会事故調は主だった政界、東電関係者の参考人聴取は終えた。国政調査権という強い権限を持つ国会事故調に課せられた役割は大きいが、これまでは期待に応えたとはいえない。

 事故から一年以上たった今も、事実が明らかになっていないのは異常である。歴史的な大事故をどう総括し、教訓として何を生み出すのか。今月中にまとめる報告書が、小手先の総括で済まされることは許されない。

Posted by 大沼安史 at 08:31 午前 |

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