〔東京新聞〕 「肉が食べられないなら、狩猟税を返して」 シカなどから放射性物質検出 登録者数1割減 駆除に黄信号 県猟友会日光支部
日光市内のシカなどの野生獣肉から放射性物質が検出された問題で、県猟友会日光支部の二〇一一年度の狩猟登録者数が前年度より約一割減った。登録会員からは「肉が食べられないなら、狩猟税を返して」との要望も。塚原久夫支部長(74)は「このままでは駆除をする人がいなくなる。税負担軽減などの対策を考えてほしい」と訴えている。 (石川徹也)
昨年八月下旬、「獣肉の放射性物質はどうなっているのか」との問い合わせが、県内外の会員から相次いだことを受け、同支部は日光市今市地区で捕ったシカ肉を自費で国の検査機関に依頼。国の暫定規制値(一キログラム当たり五〇〇ベクレル)を超えたため、公表した。
「猟期(通常十一月十五日から二月十五日)を前に、放射性物質を含んだ獣肉の存在を知らせないわけにはいかなかった」と塚原支部長。公表などの影響で登録者は約三百人に減った。「会員の七割は捕獲した獣の肉を食べており、殺すだけの狩猟はしたくない人が多い。『食べられないと知っていたら、登録しなかった』との声がかなり寄せられた」と話す。
県によると、一〇年度の県内の狩猟免許登録者数は三千八百五十三人。〇五年度の四千百十人に比べ一割近く減った。一方、一〇年度の獣類の農業被害額は一億五千八百九十五万円で、〇五年度の五千七百万円から約二・八倍に増えている。
猟期以外、自治体から有害鳥獣駆除を要請されるハンターも多い。獣によっては日当や捕獲報償金は出るが、駆除しかしない人でも散弾銃やライフルを使う場合、年間約一万八千円(手数料込み)の狩猟税が必要となり、税を負担と考える人は多い。
野生獣肉から放射性物質が検出されたことで、県自然環境課の担当者は「今後さらに登録者が減少するかもしれない」と危機感を強める。税負担の軽減については「県条例の改正が必要な上、減収分をどう補填(ほてん)するかが問題となり、現実的には困難。当面は捕獲報償金の増額で対応していくしかない」と話している。
日光市は新年度予算案で、県の補助を受けて野生鳥獣対策事業費を約七百三十万円増額。イノシシの捕獲報償金を一頭五千円から一万円に増額し、無償だったシカにも一頭五千円を新たに払うことを盛ったが、その効果は未知数だ。
Posted by 大沼安史 at 04:06 午後 | Permalink

















