〔NRCフクイチ文書〕 初動から危機感 NRC、原発事故後の記録公表
【ワシントン=柿内公輔】米原子力規制委員会(NRC)が公開した東京電力福島第1原発事故の会議記録からは、情報発信や状況分析で後手に回った日本政府と対照的に、初動から危機感をもち、優先順位を明確化した米政府の緊迫感が伝わってくる。
「日本政府からの情報提供が限られている。協力要請もないままだ」「東電の発表文は古すぎる」
発生当日の11日の会議では、日本政府や東電の情報発信の不手際にいらだつNRCメンバーの様子が浮き彫りになった。日本の関係当局に直接支援を申し出たが、「必要ない」と断られたと憤るメンバーの声も取り上げられている。ヤツコ委員長は電話会見で、「事故直後、(状況判断が)難しい状況に置かれていた」と振り返った。
米政府は事故対応での優先順位やプロセスも明確にした。16日の会議では、(1)ルース駐日米大使と米国民の安全確保を最優先(2)次に日本政府の原子炉復旧を支援(3)(今後の)参考となる教訓の収集-といったコンセンサスができたという。
会議では、米国民への退避勧告でも論議が白熱。自主避難を主張する声もあったが、NRCが事故後に日本に派遣した専門家チームの責任者だったチャールズ・カストー氏はその場で、「外部電源が喪失すると格納容器の封じ込め機能が失われる」と懸念を表明。NRCは「もはや日本の避難勧告に同調せず、80キロ圏以内の米国民に退避を促す。プレスリリースも迅速に流す」との断を下した。
東電との会議内容も明らかにされ、4号機に砂を投下する話を持ち掛けられたことには「明らかに(必要なのは)水、水、水」との記述がある。
NRCの会議記録は、事故を検証する一級資料の価値を持つ。当事者の日本政府が原子力災害対策本部会合の議事録を作成していないのに比べ、情報公開や国民の知る権利に対する意識の格差までが鮮明になった。
NRCのスポークスマンは米CNNに、「歴史の決定的瞬間でNRCがどう動いたかを伝える貴重な内部資料だ」と胸を張った。
Posted by 大沼安史 at 04:44 午後 | Permalink

















