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2012-02-06

〔東京新聞〕 社説 自治体の電気代 電力改革の追い風に/脱原発を掲げる城南信用金庫やCO2排出削減を目指すヤマダ電機 PPSを利用

 → http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012020602000068.html

 東京電力の電気料金値上げの動きが自治体の“脱東電依存”を加速させている。税金で賄う電気代を減らそうと小さな電力会社に注目が集まる。節税意識の高まりを電力制度改革の追い風としたい。

 福島第一原発の事故をきっかけに、東電や中部電力のような大手電力会社ではなく、比較的小さな特定規模電気事業者(PPS)が引っ張りだこになってきた。電気料金が割安だからだ。

 電気の小売市場の自由化が進んできたのはこの十年余りだ。ガス、石油、電機といった異業種がPPSをつくり参入している。五十キロワット以上の大口契約に限られてはいるが、全国の電気需要の六割が自由化されている。

 自前の設備で発電したり、自家発電の企業から買ったりして電気を売る。自然エネルギーを含め多様な電源を組み合わせ、人件費や広告宣伝費などのコストを削って安い料金を実現している。

 工場やビル、スーパー、マンション、学校など契約の対象となる間口は広い。脱原発を掲げる城南信用金庫やCO2排出削減を目指すヤマダ電機がPPSを利用している話はよく知られる。

 東電の大幅値上げを前に、多くの自治体がPPSの存在に目を向けるようになってきた。どの電力会社と契約を結ぶのかを競争入札で決めるというのだ。節税意識の高まりは好ましい。

 電気代が浮くだけではない。購入先をPPSに広げれば、大手電力会社が抱える停電リスクを避けることができ、行政サービスがより安定するだろう。

 二十七の都道府県や十六の政令市は先行しているが、出遅れ気味の自治体は少なくない。東京二十三区の先頭を切った渋谷区でさえ、本庁舎と渋谷公会堂をPPSに切り替えたのはつい先月だ。年間三百万円の節約になるという。

 もっとも、役所や学校といった公共施設の電気の購入に入札を取り入れる動きは、首都圏を超えて広がってきた。自由化のメリットを生かして住民に還元すべきだ。

 問題なのは、PPSが約五十社しかなく、供給能力が低いことだ。小売市場のシェアはいまだ3・5%にすぎない。大手電力会社が送電網を独占してPPSに高い使用料を課すルールなどが大きな参入障壁になっている。

 発電部門と送電部門を切り離し、普通の家庭も電力会社を自由に選べる仕組みを目指したい。全国の自治体も住民の視点に立ち、電力改革を後押ししてほしい。

Posted by 大沼安史 at 04:11 午後 |

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