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2012-02-08

〔★ フクイチ・NEWS〕 ワシントン・ポストが暴露報道 ◎ 米原子力規制委 アラスカで甲状腺被曝許容値超えの最悪シナリオを想定/格納容器のコンクリート遮蔽を爆破・注水提案も/海水注入にエネルギー省科学者グループから「待った」――あの「海水注入停止命令」は、この進言のせい?/日本からは「情報の霧」が届くだけ/「泣きたい気持ちだろう?」「最高のカウンセリングを受けないと持たない」

 
 → http://www.washingtonpost.com/business/economy/messages-show-conflict-within-nrc-after-japan-earthquake-and-tsunami/2012/01/09/gIQA2ll6uQ_print.html

 ワシントン・ポスト(電子版)は7日、米原子力規制委員会(NRC)の内部Eメールをもとに、フクイチ原発事故発生当時の米側舞台裏を暴く記事を掲げた。

 「日本の地震・津波のあと、NRC内で混乱、メールが明らかに(Messages show conflict within NRC after Japan’s earthquake and tsunami)」と題する記事。

 そのなかで注目されるのは、NRCが米国民に対して「危険はない」と言いながら、アラスカの州民が甲状腺許容値超えの被曝することを否定できない「最悪シナリオ」を隠し持っていたことが暴露されたことだ。
 While assuring Americans publicly that there was no danger, the NRC did not disclose one worst-case scenario, which did not rule out the possibility of radiation exceeding safe levels for thyroid doses in Alaska, the e-mails show. “Because things were uncertain, we considered it but the data that was available . . . did not support that very pessimistic scenario so no, it was not discussed publicly at that point,” NRC spokesman Scott Burnell said. In the end, Alaska was not affected.

 また、NRCはフクイチの「使用済み燃料プール」の状態に「ひっかかり( a sensitive spot )」を感じていたが、フランスの放射線防護・安全研究所ばかりか米国内の機関に対しても、情報提供するのを嫌がった。
 米国の反原発グループ、「憂慮する科学者たち」のエドウィン・ライマン氏は「使用済み燃料の火災とプールについて、基本情報を全て開示しなかった(“There is a whole base of information about spent fuel fires and pools that the NRC is not sharing with the public,”)」と批判している。
 (大沼 使用済み燃料の火災? ――初耳だ)

 さらに、エネルギー省のチュー長官が召集した科学者グループの中から(著名な物理学者であるリチャード・ガーウィン氏から)、フクシチへの注水を容易にするため、鋼鉄製の格納容器のコクリート遮蔽を部分的に爆破する案も飛び出していた。このアイデアをNRCの科学者は「狂気の沙汰(“madness)」と評した。
 「そんなことをしたら、内部のものが外に飛び出し、現場の人間を殺してしまうじゃないか(“The rarefaction off the backside of the concrete is the way we kill people inside bunkers,” )」と。

 もうひとつ注目されるのは、チュー長官の召集した科学者グループが、「海水」の注入によって「金属疲労」と「腐食」が進行するとの懸念が出ていたことだ(NRC側はそれほど懸念せず)。

 これについてガーウィン氏は「われわれの提言が日本政府に届いたか分からない。私はベストを尽くしたまで」と語っているが、東電が官邸に雰囲気を察して、現場に「海水注入の停止」を命令した(吉田所長、命令に従わず、海水注入を続行。これで最悪中の最悪の事態になることを回避!)背景には、このエネ省長官科学者グループの進言があったのかも知れない!

 ワシントン・ポストの記事はまた、日本から出て来るのは「情報の霧(the fog of information)」だったので、NRCの科学者たちが、(真実を探る出すため)それを突き抜けるのに懸命だったと指摘。

 「泣きだした気持だろう?」「いや、いくら払ったって構わないから、カウンセラーにすがりつきたい気持ちだよ」といった、科学者同士のメールのやりとりも紹介している。

Posted by 大沼安史 at 10:08 午後 |

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