〔福島民報・社説〕 【原発災害】 記録・記憶を伝えよう(3日)
〔福島民報・社説〕 【原発災害】 記録・記憶を伝えよう(3日)
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バラエティー番組が正月のテレビ画面に流れる。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の番組は姿を消した。政府は原発事故「収束」を先月宣言し、反発を招いた。厳しい現実と県外との意識の広がりは増す一方だ。収束機運のまん延を恐れる。
風化や忘却との闘いが始まる。被害を拡大する愚かな「人災」を繰り返さないためにも、被災の全容、被った苦しみを記録し、記憶し続ける必要がある。資料を収集、研究する専門的な機関、施設の創設検討を望む。
「今年は除染の年」。細野豪志環境相兼原発事故担当相は元日付の本紙座談会で力説した。原発事故の風化阻止対応も約束した。生活環境を早く取り戻すのは最優先課題だ。だが、元通りになるのに何年かかるか分からない。時間経過とともに、原発事故の記録は散逸し、記憶は薄れる。風化させない具体策が必要だ。
政府、国会、民間団体などが設けた各調査機関が原発事故の原因究明に当たる。膨大な資料が集まるはずだ。廃棄せず保管してこそ、調査結果の比較検証が可能になる。今後起こりうる大災害に適切に対処し、被害を最小限に抑える知見を得られよう。
事故対応の当事者である政府、自治体、東京電力はもちろん、企業、団体、国民が事態をどう受け止め、対応したかを示す文書、映像、証言も収集対象としたい。
「災害復興学」を構築する福島、宮城教育、山形3大学との連携も大切だ。「災害の記憶を個人のレベルにとどめず、いわば『社会の記憶』として明確に継承していく」。3学長は先月発表した決意表明で災害復興学の意義を強調した。大学が有する専門性を生かすべきだ。学生への教育にも役立つはずだ。
文書の取り扱いに実績のある県歴史資料館、県立博物館、さらに各自治体の歴史資料館などの協力も得よう。
国内外の専門家と研究、交流する場とする。原発事故、復興の歩みを共に探り、被災地再生の方策を提言する。公的資金を活用しながらも、政府や電力業界の介入を許さない独立した組織を目指す。
参考になるのは、兵庫県が神戸市に設けた「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」だ。災害対策の中核を担う自治体職員や防災研究者の育成、被災地支援などにも力を注ぐ。県民約170人が登録し、館内で毎日約20人が恐怖の体験を解説する。
つらい記憶を全世界が共有し、生かす。原子力災害に負けない「フクシマ」の発信にもつながる。(鞍田 炎)
Posted by 大沼安史 at 02:34 午後 | Permalink

















