〔フクシマ・毎日新聞〕 大飯原発:3、4号機安全評価 「見切り発車」批判続出 福島事故の教訓、反映されず
関西電力大飯原発3号機、4号機の安全評価(ストレステスト)について、経済産業省原子力安全・保安院が妥当とする審査書案をまとめ、原発の再稼働に向けた動きが本格化した。
だが、東京電力福島第1原発事故をめぐる政府などの最終報告書が出ない段階でのゴーサインに「結論ありき」「見切り発車」との批判は多い。再稼働の最大のハードルである地元自治体の理解をどう得ていくのか。電力需要が山場を迎える夏を前に、課題は多い。
ストレステストを再稼働の可否に使うことには、原子力の専門家から疑問の声がある。
諸葛(もろくず)宗男・東京大特任教授(原子力法制度)は「ストレステストは、(炉心損傷のような)過酷事故が起こるまでにどのくらい余裕があるのかを推定するためだ。安全を保証する合格点というものはない」と話す。
東京電力福島第1原発の事故後、欧州連合(EU)もストレステストを実施しているが、安全性を判断する基準は示していない。EUの担当者らは、「合格点」は規制当局の判断で決めるしかないと指摘している。
ストレステストに関する保安院の意見聴取会委員、井野博満・東京大名誉教授(金属材料学)は「どこまで余裕があったら安全性が担保されるという判断基準が示されないまま、評価結果を出すのはおかしい。福島第1原発事故で得られた知識を取り入れた上で、安全評価し直すことが先で、再稼働ありきだ」と憤る。
さらに、現在の耐震指針に基づく事業者の地震や津波の想定の妥当性について審議が終了したのは、東京電力柏崎刈羽1号機と同5~7号機、高速増殖原型炉「もんじゅ」、日本原燃の再処理施設のみ。
保安院は「福島原発事故級の事故を再び起こさない」ことを合格点と説明するが、福島第1原発事故での教訓は反映されておらず、想定が妥当という保証はない。
諸葛さんは「想定外の事故が起きても、適切に機器や職員を動かすことができるのかを含め、総合的に安全評価すべきだ」と警鐘を鳴らす。【河内敏康、関東晋慈記者】
Posted by 大沼安史 at 05:31 午後 | Permalink

















