〔フクシマ・言葉〕 柳美里さん : ……そして、15歳のときに、この言葉に出会ったのです。「これまでの悲しみ、苦しみを、あなたは誇りにしたほうがいい」と。
2012/01/08 南相馬災害FM局で放送 「進工舎の人びと」ブログ → http://sinkousya.exblog.jp/17305203/
……悲しみや苦しみに直面すると、なぜ生きているんだろう、なぜ生きなければならないんだろう、という問いを、自分自身に突き付けます。それはとてもつらいことです。けれども、悲しむこと、苦しむことは、物事を考えるうえでの切り口になります。生きることは何かという、その問いが、生きる姿勢を支えてくれるのだと、わたしは思います。
去年の3月11日から、未来が切り落とされ、希望が切り刻まれる瞬間の連続だったと思います。
わたしは、みなさんに同情はしません。とても同情するなんてことはできません。みなさんはこの10か月間、一人ひとりの頭で悩み、一人ひとりの心で悲しみ、苦しみぬいてきたからです。
わたしは4月22日、20Km圏内が警戒区域に指定される日に、富岡町の夜の森公園に行き、満開の桜をみました。誰もいない浪江町の駅のホームを歩きました。7月23日、相馬野馬追の騎馬行列をみました。24日は、太田神社で行われた例大祭をみました。年末年始は、三嶋神社、太田神社、男山八幡神社にお参りをしました。
みなさんには、誇るべきものがあります。そして、みなさんの前には今、大きな壁があります。決して安心してもたれかかることができるような壁ではありません。けれど、みなさんが誇りさえ手放さなければ、きっといつか、この大きな壁を乗り越えられる、壁を背にして歩き出せる、壁をふり返られるときが必ず来ると思います。わたしは、そのときまでみなさんの悲しみに、みなさんの苦しみに、みなさんの誇りに、寄り添いたいと思います。
成人、おめでとうございます。
Posted by 大沼安史 at 06:19 午後 | Permalink
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