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2012-01-31

〔神戸新聞〕 社説 議事録未作成/検証されるのが嫌なのか (29日) 

 → http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0004776559.shtml

 そもそも、民主党は公的記録を残す重要性は身に染みているはずではないか。自民党政権時、「消えた年金記録」やC型肝炎資料の放置など政府のずさんな文書管理が明らかになり、その追及が政権奪取の要因になったのだから。
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 東日本大震災や福島第1原発事故に対処するため政府が設置した15の会議のうち、10の会議で議事録が作成されていないことが分かった。記録がないと意思決定の過程が検証できず、教訓も得られない。ずさんさにも、ほどがある。

 公文書管理を担当する岡田克也副総理が明らかにした。議事録が未作成の10会議のうち原子力災害対策本部、緊急災害対策本部、被災者生活支援チームは議事概要すら作られていなかった。

 各会議の重要さは言うまでもない。首相と関係閣僚のほか、会議によって東電の幹部も加わり、国民の命や暮らしを守る緊急対策が協議された。非常事態に陥った国の危機管理を担う中枢だった。

 混乱をきわめた発生直後ならまだ分かる。しかし、未作成がこれだけ多く、言われるまで動かないようでは、基本的な認識が疑われる。後日、問題点を指摘されないように作成しなかったのでは、と勘ぐられても仕方ないだろう。

 地震と津波、原発事故が重なった前例のない大災害である。政府がどう考え、どう動いたか。何ができ、何ができなかったか。発言内容などのきちんとした記録は歴史を後世に伝える大切な作業だ。当然、次の備えにも生きる。

 震災後、放射性物質の拡散予測を提示しなかった経緯などから、政府の情報開示の姿勢は内外から疑問視されてきた。新たな手抜かりの浮上で、菅直人前首相らの責任とともに、実務を担当する事務方の対応があらためて問われる。

 そもそも、民主党は公的記録を残す重要性は身に染みているはずではないか。自民党政権時、「消えた年金記録」やC型肝炎資料の放置など政府のずさんな文書管理が明らかになり、その追及が政権奪取の要因になったのだから。

 こうした動きの中で公文書管理法がまとまり、昨年4月に施行された。政府の重要会議の決定、了解などの文書化を求めているが、法の趣旨や制定されるまでの経緯を忘れてしまったのか。

 民主党政権は「政治主導」を掲げ、政府の会議から官僚を外す措置もとってきた。ときにのぞく「政治主導」のはき違えが議事録軽視や情報開示の不備につながっているとすれば、党の体質に根差す問題と言わねばならない。

 岡田副総理は、2月中に議事概要をまとめるよう指示した。その際、対応が不十分だった部分を含めてこそ、記録を残す意味があると認識してほしい。国民に真実を伝えることは民主主義の根幹であると肝に銘じ直すことだ。

Posted by 大沼安史 at 06:35 午後 |

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