〔東京新聞〕 施政方針演説 復興・原発素っ気なく
野田佳彦首相が二十四日行った施政方針演説は、消費増税に力点を置いた分、過去二度の所信表明演説と比べ、東日本大震災からの復興や東京電力福島第一原発事故対応の優先度が低下した印象が強い。
復興に関しては、復興庁や復興交付金などの創設をアピール。「復興を力強く進めていく道具立てがそろった」と胸を張った。
ただ、過去の演説は復興を政権の「最優先課題」とし、被災者のエピソードも数多く紹介したのに対し、今回は「優先課題」に後退。被災者に寄り添うような実話もなかった。
加えて、過去二度の演説はいずれも復興を冒頭に据えたにもかかわらず、今回は消費増税に向けた与野党協議の呼び掛けの後に。行数も昨年十月の所信表明演説の三分の二程度にまで圧縮された。
原発事故に対する表現も変わった。以前よりも厚みを増したのが、原発再稼働に向けた記述だ。
昨年九月の演説では脱原発依存と原発再稼働による電力確保の「二兎(にと)」を追うと宣言した。
今回は「原子力への依存度を最大限減らす」との方針を示す一方、再生可能エネルギー導入など「脱原発依存」実現への具体的な取り組みに関する言及はない。
むしろ、エネルギー政策について「経済への影響、環境保護、安全保障などを複眼的に眺める視点が必要だ」と指摘。四月には稼働する原発がゼロになる事態を防ぐため、再稼働容認への環境を整える思惑があるとみられる。
また先月の事故収束に向けた工程表「ステップ2」完了に伴い、首相は「事故そのものは収束に至った」と表明したが、被災自治体から反発の声が上がったためか、わずか一カ月で「事故との戦いは、決して終わっていません」と表現を修正した。
Posted by 大沼安史 at 06:14 午後 | Permalink

















