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2012-01-20

〔フクシマ・東京新聞〕 岐路に立つ原子力 いばらきの決断<3> 「監視の目」強化が必要/東海第2 「あと津波が77センチ高かったら全電源喪失」

 → http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20120120/CK2012012002000066.html

 わずか一週間のうちに県のトップとナンバー2から正反対の発言が飛び出す。思わぬ展開に水戸市の高橋靖市長は不快感をあらわにした。「国の方針が定まって行動を起こすのでは遅い。知事には私たちの要求を重く受け止めていただきたい」

 県や東海村などが原子力関連の事業者と結んでいる「原子力安全協定」。水戸市など県央九自治体の首長は昨年末、山口やちゑ副知事に対し、現在は対象外の自治体でも協定を結べるよう枠組みの見直しを求めた。その一環で、東海第二原発の再稼働に関する事前協議に参加できる権限も要望し、山口副知事は「福島の原発事故を踏まえれば、協定の見直しは当然」と受け入れる構えを見せた。

 だが、年明け早々に事態は一転する。橋本昌知事は「(東海第二)原発の再稼働を前提に協定を拡大するのは早すぎる」との理由で、国から再稼働の要請があるか見極めてから対応する考えを示した。

 安全協定は厳密には県の了解がなくても事業者との間で締結できる。ただ、現時点では原子力行政全般を取り仕切る県の意向を無視できない。

 知事の姿勢に、東海村の村上達也村長は「国が再稼働を言うか言わないかは関係ない。地域住民の安全を守るのが自治体の長のはずだ」。より多くの自治体を巻き込めば東海第二原発への監視の目を強化できると踏んでいただけに不満を隠さない。

 安全協定をめぐっては、他県でも動きが出ている。滋賀県は大飯原発など十一基を福井県内で運営する関西電力に協定の締結を要望。鳥取県や同県米子市などは島根原発(島根県)の事業者である中国電力と昨年末、全国で初めて県境をまたいで協定を結んだ。

 福井県で敦賀原発、本県で東海第二原発を運営する日本原子力発電(原電)は、広がる“包囲網”に「コメントのしようがない」と静観する。

 原電などの事業者をチェックする仕組みとして、本県では安全協定のほかに「原子力安全対策委員会」と「原子力審議会」がある。委員会は県から委嘱を受けた有識者十四人が安全性や事業計画など多様な問題の調査、検討に当たっている。

 原子炉工学や地震学など専門分野が多岐にわたる委員会の規模は、原発が立地する全国十五道県でトップクラスだが、完全非公開としてきたのは本県だけ。密室の中で安全を確保できるのか疑問視する向きもあった。

 本県が初めて委員会の傍聴を認め、議事録を公表したのは、原発への社会の視線が厳しくなった福島第一原発事故後の昨年十月から。脱原発を掲げる市民団体「茨城平和擁護県民会議」の相楽衛事務局長は「住民の命を何だと思っているのか。東海第二原発の安全に問題はないと言ってきたのに、震災の津波があと七十センチ高かったら全電源喪失していた。委員に反原発の人を加えるべきだ」と語気を強める。

 審議会は知事の諮問機関で、県の原子力行政について意見する。構成員は有識者のほか、村上村長ら六自治体の首長と県議五人らで計二十三人。村上村長は「審議会といっても、原発の推進機関のようなもの。今後は原発から三十キロ圏の首長もメンバーに入れて、審議会の体質を変えていく必要がある」と訴える。 (永山陽平記者)

 <原子力安全協定> 本県では1974年に制度を施行。法令による締結義務はない。現在は18事業所との間で県、立地自治体、隣接自治体が結んでいる。東海第二原発に関しては原電との間で県、東海村、日立、常陸太田、ひたちなか、那珂の4市が締結。立地自治体は原発の運転停止要求などが可能で隣接自治体より権限が強い。水戸市などは立地自治体並みの権限を求めている。

Posted by 大沼安史 at 04:09 午後 |

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