〔梶村太一郎さんのベルリン通信〕 内閣府原子力委員長の「最悪のシナリオ」と最初の「警告メール」
梶村さんは中央ヨーロッパ時間の3月11日19時19分(日本時間12日02時19分)、以下のような警告メールを日本に向かって発信していた。
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From:
Subject: 放射能漏れの場合/子供と母親の疎開
Date: 2011年3月11日 19:19:22:GMT+01:00
To:
梶村です。
(緊急時のため複数の投稿をご容赦下さい)
福島原発の一基がいよいよ危なくなっています。原子炉爆発を回避するために
放射性物質を意図的に外気に出すことを検討しています:
http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=995
風向きにも寄りますが汚染は不可避ですし、炉心溶融が急速に進むと予想できない事態になります。
ここ24時間が危ないでしょう。
あわてることは禁物ですが、その場合は、近くのひとはもちろん、東京近郊でお住まいの方は、子供と母親はできるだけ遠くに疎開させることを準備された方が良いでしょう。子供の被曝は悲惨です。
関西は比較的安全でしょう。
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この時、日本政府は何をしていたのか? 何の警告も発していなかった!
そして、今月24日の毎日新聞によれば、「事故から2週間後の3月25日、菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が作成し、菅氏に提出していた」。
梶村さんは、こう書いている。
「つまり、提出されてから9ヶ月を経てようやく報道されたことになります。20頁あるとされるこの原資料の即時公表が望まれます。
「日本の原子力政策の中枢が事故当初より、このようなシナリオを持っていたことは、専門家としては至極当然のことです。原子力村の隠蔽の本質(体質ではない)をよく知っているわたしなどは「何をいまごろになって、こっそり出して」と、彼らの姑息極まる犯罪的本質にむしずが走り、この「原発中毒」連中がいまだに政府の原発政策中枢に居座り続けて事態の矮小化に励んでいることに呆れ返り、危機感がつのるばかりです」……
梶村さんのベルリン通信は、日本の原子力ムラの悪を映し出す鏡(シュピーゲル)である。
新年もよろしくお願いします!
Posted by 大沼安史 at 02:11 午後 | Permalink

















