〔フクシマ・東京新聞〕 12年度予算案決定 「原発」大なた振るえず 政府のエネルギー政策 定まらないのが最大の原因 官僚主導による玉虫色
二〇一二年度予算案が二十四日決定したことを受け、政府は予算案を年明け召集の通常国会に提出し、年度内の成立を目指す。今後の焦点は消費増税を中心とする社会保障と税の一体改革に移る。政府・与党は早ければ一三年十月から段階的に消費税率を引き上げる方向を模索しており、社会保障費を中心に一三年度予算から税収の仕組みが大きく変わる可能性がある。
一二年度予算案では、借金に当たる新規国債の発行額が税収を上回る異常事態が三年連続となり、不足する歳入の構造改革は喫緊の課題となっている。一方、歳出では少子高齢化の影響で社会保障費は毎年一兆円超の自然増が続く見込みだ。
こうした厳しい財政事情を受け、政府・与党は一〇年代半ばまでに段階的に10%まで税率を引き上げるとしている消費増税を中心に、年内に一体改革の素案をまとめたい考え。年明け以降に与野党で協議した後、来年三月までに関連法案を国会に提出することを目指している。
だが、一二年度予算案には与野党から反対が出ている将来の消費税増税分が「年金交付国債」として組み込まれており、自民、公明両党が民主党との対決姿勢をさらに強めるのは必至。予算執行に欠かせない関連法案も成立の見通しが立っていない。
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「脱原発」への一歩を踏み出すかどうかが問われた原子力関係予算。前年度比1・1%減の四千百八十八億円と額面は現状維持だった。福島第一原発事故を受けて安全対策の予算を前年度の二・六倍となる七百八十三億円に増やしたが、これまでの推進路線の流れをくむ研究開発費も大半が温存された。
安全・事故対策の研究開発費は、前年度は関連予算全体の7%だったのを18%まで比重を高めた。ただ文部科学省が所管する従来型の研究開発費は二千九十五億円が計上され、一割余りの削減にとどまった。
大なたを振るえなかった最大の理由は政府のエネルギー政策が定まっていないため。菅直人前首相が設置したエネルギー・環境会議や、経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会では原発の是非をめぐる議論が続いており、まとまるのは来夏。
これらの会議は原子力政策の今後を政治主導で決めるために設けられた側面が強い。提言を得ていない現状で、官僚主導による玉虫色の予算となった。
Posted by 大沼安史 at 11:34 午前 | Permalink

















