〔事故収束宣言・NEWS〕 福島民報 「なぜ収束」課題山積 除染手つかず 住民ため息
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◎ この民報の記事についた写真を見て、涙がこみ上げた!
【写真】テレビ中継で野田首相の発言を聞き、早期帰宅を願う信田さん=16日午後6時10分ごろ、福島市・笹谷仮設住宅
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政府が東京電力福島第一原発事故の収束作業工程表の「ステップ2」完了を発表した16日、浜通りの警戒区域などから避難した住民からは「本当に大丈夫なのか」と疑問の声が上がった。汚染水の漏えいなど仮設施設のトラブルは今も後を絶たない。本格除染は手つかずの上、除染に欠かせない廃棄物の中間貯蔵施設の建設場所すら決まっていない。住民からは「帰れないことに変わりはない」とため息が漏れた。
■冷ややか
福島市の仮設住宅に一人で暮らす浪江町の無職信田富貴子さん(81)はテレビで野田首相の発表を聞いたが、心は晴れない。「工程表が進んだといっても、いつ帰れるのか。生きているうちに戻れるの?」。野田首相の言葉に答えはなく、「お願いしますよ」とテレビの画面に向かって手を合わせた。
三春町に避難し、特別警戒隊長として葛尾村に通う松本信夫さん(59)もテレビを見詰めながら「村に帰れない状況に変わりはない」と冷ややか。飯舘村消防団長を務める自営業荒利喜さん(62)は「一つの区切りとしては受け止めるが、処理水の問題などもあり、まだ安全な状態とは言えない」と収束宣言に首をかしげた。
緊急時避難準備区域が解除された広野町の6号国道沿いにある「そば処鈴芳」は、7月下旬から日中限定で営業している。経営する小野二三五さん(54)、君子さん(50)夫妻は、いわき市四倉町の仮設住宅から通う日々。震災前と同じように、長女夫婦や孫ら家族6人で暮らすことが願いだ。「メルトダウンの発表が遅れるなど、国や東電のこれまでの対応には不信感がある。でも、少しでも前に進んでいると信じたいよね」とつぶやいた。
■中間貯蔵施設は
野田首相は「事故収束」を強調するが、除染は進んでおらず、帰郷の道のりは険しい。
南相馬市鹿島区の仮設住宅で玄関に積もった雪を掃いていた無職福島クニイさん(82)の自宅は警戒区域の市内小高区にある。「すぐに戻れるわけではないことは分かっている。でも、除染が進むのは一体何年後になるの…」と不安は一向に解消されない。
自衛隊による本格除染の準備作業が行われた富岡町の無職大和田洋さん(76)は「一部を除染しただけでは安心して暮らせない。津波が来た区域や地震で壊れたライフラインの復旧はどうするのか」と疑問を投げ掛ける。
除染を進めるには、中間貯蔵施設の早期建設が課題だが、国が建設を検討している双葉郡の住民の思いは複雑だ。二本松市の仮設住宅に住む浪江町の元プレス工永井敏さん(46)の自宅付近は線量が高く、簡単に帰れる場所でないことを痛感している。確実な除染を望んでいるが「施設を郡内に建設することには反対。安心して住める地域がなくなってしまう」と危惧する。
一方、会津若松市の仮設住宅に中学生と小学生の娘二人と暮らす大熊町の主婦(37)は、中間貯蔵施設は大熊町に建設するしかないと思っている。「一時帰宅の際、空間線量が毎時50マイクロシーベルトもあり、帰郷は諦めた。建設する代わりに集団移転先を確保してほしい」と求めた。
■区域再編に警戒感
政府は避難している住民の帰郷に向け、今月中にも避難区域再編の考え方をまとめる方針だ。
しかし、郡山市の仮設住宅で暮らす川内村地域安全保安隊員の猪狩慶さん(43)は「安全は宣言されるものではなく、住民自ら感じるもの。政府の指示で不安を抱えたまま帰されるようなことがあってはならない」と警戒する。広大な田園や山林をくまなく除染できるのか疑問で、「村を信頼しているが、全村帰還の宣言が出されても、村に帰るかどうか正直迷っている」と本音を明かした。
避難区域の見直しで同じ町でも帰れる地域と、長期間、住めない地域に分断される恐れもある。会津美里町の仮設住宅に避難している楢葉町の農業横田智一さん(54)は「除染が進まないうちに区域だけ見直すのは順番が違う。国が一方的に沈静化を図ろうとしているように感じる」と不満を募らせた。
【背景】
東京電力は4月17日、東京電力福島第一原発事故の収束に向けた工程表を公表した。原子炉を安定的に冷却させる「ステップ1」(7月に完了)の次の段階として、原子炉を「冷温停止状態」にすることを「ステップ2」とした。冷温停止状態とは、圧力容器下部の温度が100度以下になり、格納容器からの放射性物質の放出が管理され、追加的な放出による被ばく線量が大幅に抑制されていることが完了の条件になっていた。
(2011/12/17 08:52)
Posted by 大沼安史 at 09:25 午前 | Permalink

















