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2011-11-22

〔フクシマ・ノート〕 エネ庁がスパイもどきのネット監視を続けている理由

 東京新聞が情報公開法を使って、福島第一原発大災害の主犯ともいうべき原子力ムラの代官所、資源エネルギー庁による言論監視の実態を暴露した。→ http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011112090071559.html

 情報公開請求で入手したエネ庁の内部文書によると、2008~2010年度(昨年度)までの3年間に、新聞や週刊誌の社説、記事、読者投稿、広告、漫画など計275件が、「不正確」なものとして報告されていた。

 地球温暖化対策として原発推進に言及した環境相に苦言を呈した2009年9月30日の南日本新聞の社説には「このような幼稚な社説を掲載する論説委員の質が問われる」との指摘がついていた。

 原発反対を訴え徒歩で旅をする男性を取り上げた同年4月14日の佐賀新聞の記事は「目立ちたがりの行動をなぜ写真入り、3段抜きで報道するのか。勝手な反対派を勇気づけるだけで、社会の大多数のための政策の推進を阻害する」と報告されていた。

 国民の税金を使って世論を監視し、国民の言論活動(新聞社説)を「幼稚だ」と貶し、国民の抗議行動(反原発行脚)を「目立ちたがりの」と嘲笑する報告をエネ庁に差し出していたのは、電力関係者が役員をつとめる財団法人だった。

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 エネ庁は人類史上最悪の人災といわれるフクイチの事故を起こしたことに懲りも反省せず、今年度も世論監視事業を続けている。→ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/07/post-2d44.html

 今年度は8300万円の予算を計上、広告代理店に監視の仕事を下請け発注している。昨年度までの新聞監視は縮小し、ツイッターなどネットを集中的にウオッチしている。 

 国民が納めた税金を、国民の世論動向の監視に使っている……それも東日本を壊滅しつつある原子力災害を引き起こしたあとで。

 これは驚くべき権力の濫用である。

 あまりのことに、人権の国=フランスのAFP通信が7月の終わり、エネ庁に対して問いただした。

 エネ庁が発注した「原発情報の浄化」プロジェクトなるものは、とどのつまり「言論弾圧」ではないか?――と。

 エネ庁はこう弁明せざるを得なかった。
 「われわれの政府は情報検閲を決して、一切行なわっていない。誤報の報告があるだけだ」(オガミ・チカコ・スポークスマン)と。
 → http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/07/post-3c0f.html

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 東京新聞はおそらく、エネ庁の本年度の世論監視活動についても情報公開請求して、その中身を報道するだろうから、実態はいずれ明らかになるはずだが、これに関連して、ひとつ注意しなければならないことがある。

 それは「ネットの監視」を超えた「ネット妨害」「ネット攻撃」というべき卑劣な言論弾圧が、脱原発派に対して吹き荒れていることだ。

 私も2波にわたってネット攻撃に遭ったが、ネット情報の集約・発信源となっている「東海アマ管理人氏」のツイッターが、アイコンを外され、「このメディアは注意を要する」と書き加えられる被害に遭うなど、目にあまる不正行為が大規模に行なわれている。

 これは一体、誰の差し金なのか?

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 今月初め、フランスの裁判所で、原発オペレーターであるEDF(フランス電力公社)に対して、50万ユーロの賠償金を反原発団体の「グリーンピース・フランス」に支払うよう判決が下った。
 → http://www.greenpeace.org/international/en/news/Blogs/nuclear-reaction/dont-hack-the-hippies-nuclear-giant-edf-found/blog/37768/

 EDFが「諜報企業」の「カルガス・コンサルタント」社を使って、「グリーンピース・フランス」のディレクターのパソコンから1400点の文書を盗んでいたことが発覚したのだ。

 判決はまた、EDF社の担当者、及び「カルガス」の幹部と部下のコンピューター専門家の3人に監獄行きを命じた。

 諜報企業を雇ってまで、反原発派にスパイ活動をしていた、フランスの電力公社、EDFの薄汚い正体が、白日の下に引き出され、暴かれた。

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 政府機関並みの諜報活動を「売り」にしている諜報企業の存在は、欧米では知られているが、日本ではほとんど知られていない。

 しかし、この日本もまた、活動の舞台=マーケットになっていることは疑いない。

 軍事級の諜報技術が売りの諜報企業にとって、ネット攻撃など簡単。メール、ファクス、電話の盗聴など朝飯前のことだ。

 〔諜報企業の活動に関心のある方は、拙訳『諜報ビジネス最前線』(緑風出版) エイモン・ジャヴァーズ著を参照願いたい。 → http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/10/post-5f04.html 〕

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 しかし、それにしても日本のエネ庁といい、フランスのEDFといい、反原発の「情報」を、どうしてそんなにも欲しがるのか?

 EDFを追い詰めた「グリーンピース」は、あのガンディーのコトバのもじり――”First they ignore you, then they laugh at you, then they spy on you, then you win.”(最初は無視します。次に嘲笑するでしょう。そしてスパイを始めでます。そうなったら、あなたがたの勝ちです)――でもって、EDF側が「反原発」側の動きに恐怖を感じていることを動機にあげているが、これはネット攻撃の続く、日本のいまの状況にもあてはまることだろう。

 「彼ら」は恐怖しているのだ。

 だから、無視できるなると、嘲ってみせた。

 新聞の社説を「幼稚」だといい、反原発行脚を「目だしたがりの行動」だと貶したのだ。

 そしていま、ネットでスパイ活動を続けている……。

 「脱原発」の勝利の前の、見苦しい「悪あがき」として!

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 さて、グリーンピースがもじって紹介したガンディーの名文句は、正確にはこうである。

  First they ignore you, then they laugh at you, then they fight you, then you win.

  ガンディーのこの預言を信じるならば、玄海原発の運転再開攻撃も、原発の海外輸出も、「彼ら」の最後のファイト……空しい最後のあがきに過ぎない。

 いや、、ガンディーが何と言おうと、「フクシマ」という人類史上空前の、ドイツ語で言う、Super-Gau (想像するべき最悪の超災害)を起こしてしまった以上、「彼ら」のファイトは所詮、負け戦に過ぎない。

 ドイツで、イタリアで起きたように、「勝つ」のは「脱原発」である。

Posted by 大沼安史 at 07:31 午後 |

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