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2011-11-26

〔フクシマ・レポート〕 「海外の論文が示す津波の前の放射能放出-福島第1原発1号機 地震による配管破損は大飯3号ストレステストで考慮されていない」

 11月14日 美浜の会 → http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/discharge_btsunami.pdf

 5月19日のブルームバーグ紙が、福島第一原発で津波がくる前に放射能が漏れていたと伝えたことはよく知られている。
 この古い情報が、ネイチャー誌10月27日号も紹介している新たな研究によってよみがえり、ストレステストの前に立ちはだかっている……

 5月19日付ブルームバーグ記事は次のように伝えている。

 「3月11日午後3時29分に1号機から約1.5キロ離れたモニタリング・ポストで高いレベルの放射線量を知らせる警報が鳴った。大津波が福島第一原発を襲ったのはその数分後で、原子炉の非常用冷却設備を動かすための電源が失われた。東電原子力設備管理部の小林照明課長は19日、ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、『モニタリング・ポストが正常に作動していたかどうか、まだ調査しっている。津波が来る前に放射性物質が出ていた可能性も否定できない』と認めた」

 この情報は、東電が5月16日に公表した運転日誌類の16頁目にある「1号機 当直員引継日誌」に書かれている。その元になったホワイトボード写真は19頁目にあり、次のようにモニタリング・ポストMP3で高高警報が発生したと書かれている。

 ……

 津波がくる前の15:00頃にキセノン133が福島第一原発1号機から放出されたという結論が、A.Stohl(ノルウェイ大気研究所(NINU))たちの10月20日発行の論文によって示されている。また、この内容は10月27日付ネイチャー・ニュースで紹介されている。

「福島第一原発からのキセノン133 とセシウム137 の大気中への放出」Xenon-133 and caesium-137 releases into the atmosphere from the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant

  http://www.atmos-chem-phys-discuss.net/11/28319/2011/acpd-11-28319-2011.pdf
(ネイチャー・ニュース)http://www.nature.com/news/2011/111025/full/478435a.html

Stohl たち論文の要約では、次のように書かれている。

「最初のキセノン133の大量放出は非常に早い時刻、おそらく地震と緊急停止直後の3月11日6時(UTC:日本時間の15:00)に始まったという強力な証拠がある」。

また、結論でも次のように述べている。「キセノン133の放出は早い時刻に、大地震によって引き起こされた炉の緊急自動停止の間か直後に起こったという強力な証拠がある。この早期の放出開始は、興味深いものであり、地震の間に原子炉に何らかの構造的損傷が起こったことを示唆しているかも知れない」。

この最後の点は、論文の「4.2.1 キセノン-133」において、およそ次のように指摘されている。

 「3月11日の日本時間15:00の放出開始は、地震が起こった時刻と一致しており、炉の緊急停止の結果としての希ガス放出によるものであろう。その希ガス放出はこの頃におそらく地震による構造的損傷によって高められたものだろう。また、緊急炉心冷却系による冷水の注入やそれに伴う燃料被覆管への熱応力がこの放出に寄与しているかも知れない。このようにして、放射能が、1号炉の圧力解放弁(引用者注:ベント弁)が3月12日の9:15(日本時間)に開くより前にすでに放出されていた」

結局、この論文の見方を解釈すれば、津波がくるより前に、地震と炉の緊急冷却によって燃料被覆管の破損が起こり、燃料棒内に蓄積されていた希ガスのキセノン133が外部に放出されたことになる。……

Posted by 大沼安史 at 11:21 午前 |

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