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2011-10-25

〔フクシマ・史料〕 保安院 東電1号機 操作手順書 公表

 ◇ テレ朝 1号機の操作手順書 全電源喪失想定せず → http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/211025002.html

 福島第一原発の事故の操作手順書の一部が公開されました。すべての電源が長時間失われるケースを想定しておらず、東京電力の対応が手探りだったことが分かります。

 東京電力:「バッテリーなどは信頼性が高いと判断していたので、直流電源の喪失までは(手順書に)含めていない」
 黒塗りから一転して公開された1号機の操作手順書には、事故ですべての電源が失われ、長時間復旧できなくなるケースが想定されていませんでした。3月の震災では、地震の発生後、原子炉を止める操作はすべて手順書通りでした。しかし、津波で外部電源や非常用電源、バッテリーまでもが水没し、原子炉の冷却操作などができなくなって燃料の溶融や水素爆発につながりました。東京電力の想定の甘さから手順書が役に立たず、深刻な事故を招いた実態が浮き彫りになった形です。

 ◇ 東京新聞 黒塗り一転公開 手順書 機能せず → http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011102590070113.html

  経済産業省原子力安全・保安院は二十四日、福島第一原発1号機でシビアアクシデント(過酷事故)が発生したときに使う東京電力の手順書などを公開した。東日本大震災に伴う大津波で、手順書では想定していなかった電源盤の水没が起き、機器類の操作もできず、状況もつかめなくなり、手順書そのものがほぼ役に立たなくなったことが浮かび上がった。

 公表されたのは、1号機で一般事故や過酷事故が起きた際の対応をまとめた二種類の手順書の一部のほか、東電が手順書の記載と実際に行った操作を比較対照した書面。

  ……しかし、発生から約五十分後に津波に襲われ、交流電源だけでなく、電源盤も水没し、中央操作室で操作できるはずの弁が操作できないばかりか、状況も分からなくなった。

 一般事故の手順書では、外部電源やディーゼル発電機が使えない場合は想定していたものの、バッテリー電源による最低限の操作や状況表示までストップすることは想定していなかった。

 ◇ 毎日新聞 1号機手順書、黒塗り解除し公開 → http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111025ddm001040052000c.html

 ……原子炉を冷却する非常用復水器や代替注水装置などを動かす際に、全電源喪失を想定した手順書がなかったことが明らかになり、電源喪失に対する想定の甘さが改めて浮き彫りになった。

 それによると、3月11日午後3時37分、津波の影響ですべての電源を喪失した。その結果、非常用復水器の弁の開閉表示が確認できなかった。

 ……手順書は外部電源や非常用発電機を失った場合を想定し、蓄電池を含めたすべての電源を喪失した場合を想定していなかったため、実際に全電源が失われた事故当時、手順書が役に立たなかった。

 ◇ NHK 東電の原発事故時の手順書 公開 → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111024/t10013473111000.html

 ……24日に公開されたのは、このうち1号機の事故に関係するおよそ200ページ分です。個人名が書かれた部分が黒塗りにされた以外は、すべて公開されています。

 ……手順書を巡っては、東京電力が知的財産の保護などを理由に2か月にわたって公表を拒んできましたが、公開に至った理由について、原子力安全・保安院は「今回の事故の重大性を考えると、事故原因の究明や今後の対策を検討するうえで広く公開することが必要だと判断した」としています。

 ……提出に際して東京電力は、公開された場合、安全上の支障が出るなどとして、全体のおよそ5割、深刻な事故で使う手順書は9割を非開示にするよう求めました。東京電力の主張と手順書の内容を精査して、原子力安全・保安院がどこまで手順書を公開するか注目されていました。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故時の運転マニュアルに当たる「事故時運転操作手順書」は、事故の進展や深刻度に応じて、3つの種類に分かれています。

 まず「事象ベース」と呼ばれる手順書は、事故の際、基本となる対応が記されていて、原子炉が自動停止したあとの緊急時の冷却システムの操作手順などが示されています。この中では、外部電源などが失われた際に非常用のバッテリーで冷却システムなどを動かし、8時間以内に外部電源などを復旧させることになっています。

 2つ目は、「徴候ベース」と呼ばれる手順書で、原子炉の水位が下がるなど、計器の数値の変動などから事故が進展するおそれがある際の対応が記されています。これは、昭和54年3月に起きたアメリカ・スリーマイル島原発事故を教訓に、運転員が、原子炉の水位などの数値からどのような異常が起きているかを把握して対応することで、事故の進展を防ぐために導入されたものです。

 一方、これら2つの手順書で対応できない深刻な事故で使うのが「シビアアクシデント」の手順書です。事故が進展して、炉心が損傷するおそれのある場合などに使われるもので、格納容器の気体を外部に放出する「ベント」や、消火用の配管を使って原子炉に注水する方法などが記されています。

 今回の事故では、地震の直後は「事象ベース」と「徴候ベース」の手順書を使って対応していましたが、津波に襲われて電源が失われたあとは「シビアアクシデント」の手順書を使って事故の対応が進められました。

 しかし、深刻な事故を想定したこの手順書でも、中央制御室で計器が表示され、冷却システムを動かす8時間分のバッテリーの確保や電源盤が使えることを前提にしています。今回の事故のように、バッテリーや電源盤が水没して、一度にほとんどの電源が失われたうえ、電源の復旧が進まない事態は想定していませんでした。

 今回の事故では、緊急時の冷却システムが止まっていくなか、電源の復旧が進まず、ベントや消防車による注水に必要な弁を開く操作も中央制御室からできない状況に陥りました。

 このため、作業員が実際に現場に行って作業に当たりましたが、停電で暗闇の中、放射線量が高くなる厳しい環境の下での作業には時間がかかりました。

 そして、原子炉の燃料の損傷が進み、原子炉建屋が水素爆発して大量の放射性物質の放出につながる事態となり、想定の甘さから深刻な事故で使う手順書が役に立たない結果となりました。

Posted by 大沼安史 at 08:46 午前 |

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