〔フクシマ・ノート〕 「被曝駅伝」にしてはならない!
東日本女子駅伝がことしも開催される。
11月13日。
東北陸上競技協会と福島テレビの主催。
福島市内のフルマラソンコースを9区間に分け、17都道県の女性ランナーが走る。
ことしはこれに加え、震災で被災した福島・宮城・岩手の3県で個別チームとは別に合同チーム、「チーム絆(仮称)」を結成し、たすきをつなぐ。
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呼吸による内部被曝を心配する声が出ている。雨が降れば外部被曝の恐れも強まる。
被曝感受性の高い、若い女子選手が走る。
東日本女子駅伝は9区間のうち、4区と8区は中学生の女子。残る7区、7選手のうち3人以上が高校生相当年齢の選手でなければならない。
1チームに、中高生の女子が5人以上。
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主催者が「開催」を発表したのは、9月28日。福島陸上競技協会の片平俊夫会長、福島テレビの吉井啓一取締役営業局長が福島県庁で記者会見した。
福島民友新聞によると、吉井局長は「参加チームから大会継続を望む声があった。大会の新たなスタートと位置づけて取り組みたい」と語った。
……原発事故による放射線の影響を考慮し、6月以降毎月1回、競技場内の2カ所と各中継所、中継所間の計19地点で放射線量を測定した。9月末の測定では、競技場内で毎時1マイクロシーベルトを超える地点があったが、コースの大半は毎時0.3マイクロシーベルト前後にとどまった。専門家の意見を踏まえて安全と判断し、開催を決めた――という。
→ http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4108&blockId=9892883&newsMode=article
「安全」と「意見」を述べた「専門家」とは、誰なのだろう?
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俳優の山本太郎さんが「開催」を批判している。
たとえば、英語の字幕がついて目下、ユーチューブで世界拡散中のビデオでの発言。
→ http://fukushimaupdate.com/japan-knowingly-exposing-young-female-runners-to-high-radiation-in-fukushima/
http://www.youtube.com/watch?v=WtlBa36I8Yw&feature=player_embedded
「女子駅伝ですよ、まだ線量が高い場所ですよ。そこで下は中学生、13歳から高校生くらいの女の子がメインのランナーなんですよ」
「その子たちにまだ復興もしていないのに、復興しましたとハッタリの看板を上げるために走らせるのが、僕、どうも納得がいかない」
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同感である。
同じ福島市では渡利地区などの人々が、チェルノブリ並みの汚染に悲鳴を上げている、というのに……。
史上空前の原発大惨事であるフクシマ。
1986年の、あのチェルノブリの事故後、旧ソ連は被曝地の住民を避難・移住させたけれど、爆心にほど近い場所で、女子のリレー・マラソンを行ったという話は聞かない。
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9月の東レテニス(東京・有明)に出場したロシアのマリア・シャラポア選手が、フランスのAFP通信に対して、フクシマ後、日本でプレーすることが不安だと告白した(リベラシオン紙、9月26日付)。
シャラポアさんは、1987年4月19日、西シベリアの生まれ。
つまり、チェルノブイリ世代。
「このトーネメントツアーのことをみんなで話し合っています。ほかの選手たちも、出場することがリーゾナブルなものか真剣に考えています」
東京の大会が千葉などでホットスポットが発見されたあとのことだったら、彼女はきっと、日本でのプレーに二の足を踏んだに違いない。
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11・13 フクシマ女子駅伝。
その日、主催者は見切り発車の号砲を鳴らすだろうか?
その日、「見えない雲」は爆心からどの方向へ向かうのだろうか?
コースに「黒い雨」が降ることはないのか?
主催者はSPEEDI予測を活用するつもりはあるのか?
SPEEDIで「見えない雲」がコースを襲うとわかったら、中止・もしくは(最低でも)延期するのが、主催者としてとるべき態度ではないか?
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11・13 ……3・11を思い出させる開催日。
その日、アナウンサーが歌いあげる実況中継の映像を、シャラポアさんがどこかで見たとしたら、その時、何と思うだろう……
Posted by 大沼安史 at 08:50 午前 | Permalink

















